障害サービス経営概況調査で厚労省検討チームが議論(2月4日)
厚労省は2月4日、障害福祉サービス等報酬改定検討チームに令和元年障害福祉サービス等経営概況調査結果を報告し意見を求めた。
調査結果では、+0.47%の報酬改定が行われた平成30年度の全サービス平均の収支差率が3.9%と29年度と同じであったことや収益に対する給与費の割合が4.2%減少して57.0%であったことなどが示された。
検討チームからは、計画系サービスについて加算が多くてきちんと算定できていないケースがあることから、簡素化や加算取得のマニュアルの提示を求める意見が出された。また相談系サービスの現状と今後の分析の見通しについて質問も出された。
計画系サービスの30年度の収支差率は、計画相談支援▲2.0%、地域定着支援▲0.7%、障害児相談支援▲1.9%、地域移行支援0.2%と全体的に低かった(地域移行支援は有効回答数が少なく参考数値)。
厚労省は詳細な分析は今後行うとしつつ、「加算の算定は低調」と指摘。特定事業所加算の算定はⅠからⅣまでの合計でも2割の事業所に届かない状況を説明。「複雑で加算が取りづらい」という声があることを紹介するとともに、今年度に調査研究でも調べていることを報告した。
さらに厚労省は、令和2年障害福祉サービス等経営実態調査や令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査、障害福祉サービス等報酬改定検証調査(令和2年度調査)の実施について示した。
経営実態調査は全サービスを対象に6月に実施し秋に公表する予定を説明。回答者の負担を軽減するために一部の項目を見直すことも示した。また処遇状況等調査は4月に実施して秋ごろに調査結果を公表する予定だ。昨年10月に導入された福祉・介護職員等特定処遇改善加算に関する項目を追加する。
各種調査結果は令和3年度の報酬改定に向けた検討で活用される。