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実施する日数・時間数は種類や実態に応じて事業者で判断を――介護事業所等管理者のテレワークについて事務連絡(9月5日)

9月5日、介護サービス事業所・施設等(介護事業所等)の管理者のテレワークに関し、厚生労働省老健局より事務連絡が発出された。

指定基準に関する省令では、事業所等ごとに専従常勤の管理者が配置され、従業者・業務の管理や従業者に運営基準を遵守させるため必要な指揮命令を行わなければならないこととされている。

こうした介護事業所等の管理者について、今回の事務連絡では、①「テレワークに関する基本的な考え方」、②「管理上支障が生じない範囲の具体的な考え方」、③「テレワークの環境整備に関する事項」が示された。


①管理者は「介護事業所等の管理上支障が生じない範囲内」でテレワークが可能

①「テレワークに関する基本的な考え方」では、管理者は「当該介護事業所等の管理上支障が生じない範囲内において、テレワークを行うことが可能」な旨が示された。

複数の介護事業所等の管理者を兼務している場合においても、それぞれの管理に支障が生じない範囲内でテレワークが可能である。

その際に、利用者・家族からの相談対応を含め、サービス提供やその質等に影響が生じないようにすることが必要となる。

ただし、管理者以外の職種を兼務する場合は、今回の事務連絡の対象外。

管理職者以外の職種におけるテレワークの取り扱いについては、令和5年度中に示される予定となっており、また、兼務可能な事業所等の範囲の見直し等についても介護給付費分科会等の意見を踏まえ、令和5年度中に結論を得ることとされている。

②日頃から円滑に行える関係を築き、緊急時対応を定めておく

テレワークが可能となる、②「管理上支障が生じない範囲の具体的な考え方」としては、次の5つが示された。

  1. サービスごとに運営基準上定められた責務を管理者自らが果たす上で支障が生じないよう体制を整える。その際、管理者以外の従業者に過度な負担が生じることのないよう留意する。

  2. 特に、利用者や従業者と管理者の間で適切に連絡が取れる体制を確保し、その他関係者も含めて日頃から円滑にテレワークを行える関係を築いておく。

  3. 事故・災害発生や利用者の急変時等に、管理者がテレワークを行う場合の緊急時対応についてあらかじめ流れを定めておく。また、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できるようにする。

  4. テレワークを行うことができる日数・時間数は、介護サービスの種類や介護事業所等の実態等に応じて各事業者において個別に判断する。

  5. 上記について、利用者やその家族、都道府県、市町村等から求めがあれば、適切かつ具体的に説明できるようにする。

なお、日数・時間数は各事業所において個別に判断するものの、他の職種を兼務する管理者がテレワークを行う場合、人員配置基準の違反とならないよう留意する。

③画面の覗き込みや会話の聞き取りによる情報漏洩に注意を

③「テレワークの環境整備に関する事項」では、特に個人情報の外部への漏洩防止や、外部からの不正アクセスの防止のための措置を講ずることが求められた。

感染対策委員会などでテレビ電話装置等を活用した場合に遵守する、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」や「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照する。

これに加え、第三者の画面の覗き込みや、従業者・利用者との会話の聞き取りなどによる漏洩のない環境で行う必要がある。

利用者等の情報が記載された書面などを持ち帰って作業する場合も、情報の取り扱いに留意する。

なお、テレワーク実施者の適切な労務管理等については「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を参照するほか、事業者向け無料相談・コンサルタント窓口として「テレワーク相談センター」も設けられている。

【参考1】「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱い
のためのガイダンス」(平成29年4月14日(令和5年3月一部改正)個人情報保護委員会 厚生労働省)


【参考2】「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0
版(令和5年5月)」


【参考3】「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドラ
イン」(パンフレット)

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