中医協の入院・外来分科会が急性期入院医療などを議論(2023年8月10日)
中医協の入院・外来医療等の調査・評価分科会は8月10日、次期診療報酬改定に向け、①急性期入院医療(その2)、②高度急性期入院医療(その1)、③地域包括ケア病棟(その2)、慢性期入院医療(その1)をテーマに議論を行った。
急性期入院医療については、「一般病棟に入院する75歳以上の患者で多い疾患のうち、誤嚥性肺炎や尿路感染症等は、急性期一般入院料1と地域一般入院料の場合とで、医療資源投入量の差が小さかった」といったデータが示され、急性期一般入院料1における軽症・中等症の高齢者入院の取り扱いをめぐり、現状の一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の妥当性などが論点となった。
重症度、医療・看護必要度には、「救急搬送後の入院(5日間)」の項目があり「2点」となっている。委員からは、この項目の設定が、急性期入院医療の高齢者救急の受入れを促している側面があり、見直しが必要と指摘する意見が出た。
SOFAスコアは重症度、医療・看護必要度と組み合わせが求められる
高度急性期医療については、ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度の「心電図モニターの管理」や「輸液ポンプ」の該当項目、B項目の設定の妥当性など適正化が論点となった。特定集中治療室管理料などについては、SOFAスコアの適切性が一定程度認められたが、単独では使いにくいとして、重症度、医療・看護必要度との組み合わせが求められた。
地域包括ケア病棟については、入院経路別の医療資源投入量をみて、救急搬送後、直接入棟の患者で高いことが示された。短期滞在手術等基本料3を算定する患者の割合が高い病棟の特徴を踏まえた見直しも論点となった。
慢性期入院医療については、現状の医療区分等の評価方法に一定の妥当性があることが確認された。一方、安易に中心静脈栄養が選択されている実態があると考えられ、拘束や感染リスクの問題を含め、適切な栄養摂取の方法が取られる報酬上の見直しが引き続きの課題とされた。