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全老健が新型コロナで会見「陽性者の受入病床の増床を」(4月28日)

全国老人保健施設協会は4月28日、新型コロナウイルス感染症に関する記者会見を開いた。

新型コロナウイルス感染症が拡大するなかでサービスを提供している介護現場の厳しい現状を訴えるとともに、必要な介護サービスが継続されるよう陽性者の受入病床の増床を求めた。

全国の老健施設の入所者等で新型コロナウイルス感染の陽性者が複数確認され、その陽性者のケアを施設内で継続せざるを得ない事例も発生していることを紹介。具体的には千葉県の松戸市と市川市、富山市、福岡市の4つの老健施設では陽性者のケアを継続しているという。現場での不安やスタッフの疲弊している事例もあげた。

こうした実情を踏まえ、全老健では感染が判明した際には優先的かつ速やかに病院へ入院できるよう、4月21日に加藤勝信厚生労働大臣あてに要望書を提出したことを報告。

会見で平川博之副会長は、「今回の新型コロナ感染症によって身体にダメージを受けることもあるし、命を失うこともあるかもしれない。しかし、介護サービスを停止することで、ADLの低下や認知症の進行などもっと不幸になるケースが考えられる。そのためにも介護サービスを止めるわけにはいかない」と強調。

その上で、もし医療崩壊の起きた地域の介護保険施設で入所者に陽性者がでれば、すぐに介護現場の危機に直結することを指摘し、「老健施設が担う在宅支援機能がストップすると、地域での訪問系サービス等の代替サービスへの負担が増大してひっ迫する。そのためにも地域で必要な介護サービスが継続されるよう、陽性者の受入病床の増床が急務である」と述べた。

今後、新規入所や短期入所の受け入れの際に、入所前のPCR検査の実施について要望していく考えも示した。

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