電子処方箋の運用に年間9.8億円ー医療保険部会に試算示す(1月14日)
社会保障審議会医療保険部会は1月13日、データヘルス改革の進捗状況を確認した。厚労省がデータヘルス集中改革プランのひとつとして進める「全国で医療情報を確認できる仕組み」について、令和7年度以降の運用コストは年間で約1.5億円になる試算が示された。
現在の仕組みでは、患者は医療機関・薬局に見せる情報を選択することができず、一括で情報の閲覧に同意するか不同意のいずれかを選ぶ。これに対し、日本医師会の松原謙二委員は、「一律に情報を出すというのは理解できない」と問題提起した。精神疾患の病名や手術履歴を、身近な地域の薬局等で閲覧できるようにすることを患者は望まないはずだと訴えた。
データヘルス集中改革のもう一つの項目である電子処方箋は、4年夏に運用が開始される予定で検討が進められている。すべての機能が稼働する5年以降の運用コストは、年間で9.8億円との試算が示された。
厚労省は、電子処方箋の運用コストを被保険者が負担する仕組みにすることを提案した。これに対し、健保連の佐野雅宏委員は「被保険者の納得を得るにはメリットを感じてもらう必要がある」と課題を指摘した。