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支払基金、令和4年度診療報酬確定金額は6%増(2023年6月27日)

社会保険診療報酬支払基金の真鍋伸子執行役は6月27日の会見で、令和4年度診療報酬の確定状況を発表した。確定金額は前年度から6%増加し、新型コロナウイルス感染症流行前の令和元年度と比較すると11%増となった。

令和4年4月から令和5年3月診療分の再審査分などを調整した後の「確定件数」は12万6219件で、前年度から11.3%増加した。新型コロナ流行前の元年度と比べても9.8%増加している。

支払基金が4年4月から5年3月診療分について医療機関に支払った「確定金額」は14兆4023億円で、前年度から6.0%増加となり、元年度と比べても11.0%増と高い伸びになっている。

入院外レセプト分析、産婦人科は不妊治療の保険適用で61.4%増

医科入院外の電子レセプト(診療所診療科別)の分析によると、件数は前年度より7.9%増加し、特に小児科は17.1%増、耳鼻咽喉科は16.4%増となった。令和元年度の件数と比較すると、外科や耳鼻咽喉科を除き増加した。

点数は前年度より15.0%増加し、特に産婦人科では令和4年度診療報酬改定の不妊治療の保険適用の影響で61.4%増と高い伸びとなった。令和元年度の点数と比較すると、産婦人科76.3%増と小児科47.9%増と高い。

小児科の増加は、新型コロナウイルス感染症関連診療行為の算定回数増加と、令和2年度診療報酬改定により対象年齢が拡大(3歳未満→6歳未満)された小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の算定回数増加等の影響であると分析している。

入院基本料は7.9%増、急性期充実体制加算の新設などが影響

一方、電子レセプトの医科入院・医科入院外・歯科・調剤について1日当たり点数の診療行為大分類別推移(コロナ関連点数除く)を分析した。

医科入院の令和4年度の主な増減要因として、手術(+5.5%)・特定器材(+6.0%)の増加は「全体的な手術の算定回数増加の影響」とした。入院基本料(+7.9%)の増加は「令和4年度診療報酬改定における急性期充実体制加算の新設の影響と精神科急性期医師配置加算の対象拡大 に伴う算定回数増加の影響」などをあげた。

医科入院外の令和4年度の主な増減要因として、初診料の増加(+10.7%)は「全体的な(特に小児)算定回数増加の影響」とした。

手術の増加(+43.9%)は「令和4年度診療報酬改定における不妊治療の保険適用の影響」とした。支払基金の取り扱った不妊治療の点数は81.1億点(811億円)で、そのうち手術は78.2億点(782億円)となり、医科の総点数に占める割合は0.77%。医薬品の減少(▲2.4%)は「 令和4年度薬価引下げの影響」とした。

歯科の令和4年度の主な増減要因として、医学管理等(+7.5%)の増加は「歯科疾患管理料とその加算(長期管理加算、 エナメル質初期う蝕管理加算)と歯科衛生実地指導料の算定回数増加の影響 」とした。検査・病理診断(+20.0%)の増加は「 令和4年度診療報酬改定において、歯周病安定期治療Ⅱが歯周病安定期治療Ⅰと統合されたことにより、歯周病安定期治療Ⅱに含まれ別に算定できなかった歯周病検査の算定回数増加の影響」とした。

調剤の令和4年度の主な増減要因として、内服薬(▲5.9%)の減少は「令和4年度の薬価引下げの影響」とした。注射薬(+4.2%)の増加は「デュピクセント注射薬(アトピー性皮膚炎等) の算定回数の増加と院外処方進展の影響」「ヘムライブラ(先天性血友病A患者における 出血傾向の抑制等)の算定回数の増加と院外処方進展の影響」をあげた。

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