審査基準統一へ医科の取決事項はわずか1.2%(10月26日)
社会保険診療報酬支払基金の須田俊孝理事長特任補佐は26日の会見で、支払基金改革の進捗状況について発表した。審査結果の不合理な差異解消に向けた審査基準の統一の取り組みでは、検討終了している審査取決事項は医科1.2%、歯科95.5%、調剤23.0%であることを明らかにした。
審査取決事項の9月時点の整理状況をみると、医科は2万6487の取決事項のうち、328(1.2%)について検討を終了した。歯科は6246の取決事項事項のうち、5968(95.5%)について検討を終了。調剤は466の取決事項のうち、107(23.0%)について検討終了している。
厚労省の審査支払機能の在り方検討会が今年3月にまとめた報告書では、支払基金と国保連合会の各都道府県の審査基準について、「2022 年 10 月までに各機関で重複や整合性の整理を行い、2024 年4月までに各機関で審査基準を全国統一するための検討を一巡させる。統一完了までに要する期間は 2022 年 10 月までに改めて確定する」と方針を打ち出している。
須田特任補佐は、「支払基金は来年10月までに支部を廃止し、センターに集約化して差異の解消に向けて本腰を入れていく。ある程度息の長い取り組みが必要だとは思うが、そうはいってもなるべく早い期間を設定し、それに沿って進めていきたい」と述べた。
医科の1.2%については「決して順調な進捗状況ではないと考えている。ただ、医療の個別性・多様性を反映したものだと思う。どうすれば動きを加速できるか今後検討していきたい」と述べた。
検討の体制では、各支部は診療科別のワーキンググループを毎月開催。本部では、「一般的取扱い検討委員会」をこれまで月1回開いていたが、10月からは検討委員会を内科・外科・その他診療科の3つのグループに分けて、それぞれ月1回開催し、3倍の件数に対応できるよう強化する方針を示した。
一方、AIによる振分機能の実装の取り組みとして、9月審査分のレセプト振分結果をみると、5170万件のうち目視対象レセプトは1026万件(20%)、目視対象外レセプト(80%)となり、職員・審査委員が確認するレセプトは全体の2割となっている。