新型コロナウイルス対策で医療系議員団本部が自民党に発足(4月30日)
新型コロナウイルスの早期終息を目指して自民党内に「新型コロナウイルス対策医療系議員団本部」(本部長=冨岡勉衆議院議員)が4月16日、発足した。
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、理学療法士、臨床検査技師の国家資格を持つ議員で構成され、専門的知識と医療現場の経験をもとに政府や党の感染症対策を支援することが目的。3月から勉強会を重ね、政調会に政策提言を行ってきた。
同本部幹事長の今枝宗一郎衆議院議員は、これまでの新型コロナウイルス対策について、「課題はあるものの徹底したクラスター対策によって感染者数の増加を抑え、死亡率も低い状態に維持している」と述べる。しかし、ウイルスの感染力は強く、クラスター対策をすり抜けて感染が拡大。政府は感染を抑えるため、4月7日に緊急事態宣言を発出し、人と人の接触を減らすために外出の自粛を求めた。緊急事態宣言は一定の効果をあげているものの、感染者の増加に十分な歯止めをかけるにいたらず、5月6日の期限は延長されることになった。
今枝幹事長は、「医療崩壊は絶対に防がなくてはならない。そのために医療従事者に対する圧倒的支援が必要」と強調する。その上で「新型コロナウイルスについていろいろなことがわかってきた。次の展開として出口戦略を考える必要がある」と述べ、▽抗体検査による感染状況の把握、▽治療薬やワクチンの開発、▽ハイリスク者を守るための取り組みを進める必要があるとした。
議員団本部が次の提言として検討しているのは、新型コロナウイルス対策のさらなる財源の確保である。医療従事者に対する危険手当や減収している医療機関への支援のために財源が必要であり、第2次補正予算の編成を求めていく考えだ。
安藤議員が医療機関に対する支援求める
議員団本部は4月30日に会合を開き、古川俊治参議院議員(副本部長)が海外の論文をもとにレムデシベルなどの治療薬の状況を報告したほか、抗原検査などPCR以外の検査法に関する最新情報を共有した。
安藤高夫衆議院議員(同本部事務局次長、全日本病院協会副会長)は、コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院の経営状況を分析し、「医療崩壊を防ぐために補助の拡充が必要」と訴えた。
安藤議員は、コロナ患者を受入れると、多床室を1人1室で使用するなどにより病院の収入が大幅に減少すると指摘。医療崩壊を防ぐためには医療機関に対する補助の拡充が必要であるとして、①過去3年の収入実績をもとに減額相当分を補助、もしくは②コロナ患者1人当たり200~400万円(症状による)の補助を行うことを提案した。