副業・兼業の医師の労働時間通算で反対意見が大勢(1月29日)
日本医師会の松本吉郎常任理事は1月29日の会見で、「医師の副業・兼業と地域医療に関する緊急調査」の結果を発表した。複数医療機関に勤務する医師の労働時間を通算することに反対する意見が大勢を占めた。
労働時間の通算に対する回答をみると、①医師の時間外労働規制でB水準に当たる「高度救命救急センターや二次救急医療病院など」(2132病院)は、「反対」51.8%、「賛成」11.7%②C水準に当たる「大学病院、大学付属病院」(55病院)は、「反対」61.8%、「賛成」16.4%③都道府県医師会(47医師会)は、「反対」65.9%、「賛成」19・2%―となり、いずれも反対が多かった。
また、不安に思うことでは、「宿日直体制が維持困難」「派遣医師の引き上げ」を危惧する意見が多かった。
現在、労働政策審議会で副業・兼業の時間を労働時間に通算するどうかを労働者全般について議論している。松本常任理事は「これを医師に対して厳密に通算されることになれば、地域医療が壊れる可能性がある」と述べ、慎重な議論を求めた。
また、会内に医師の働き方に関する新たな検討会を設置し、3月中を目途に日医としての考えを示す意向を明らかにした。