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新型コロナによる経営危機「診療報酬の対応必要」(7月8日)

日本医師会の中川俊男会長は7月8日の会見で、新型コロナウイルス感染症の拡大による医療機関の経営危機について診療報酬による対応が必要との認識を明らかにした。

新型コロナウイルス感染症による医療機関経営への影響が深刻であることに触れた上で、診療報酬や補助金などの国の対応に対し、「固定費である給与費をカバーするには不十分な状況だ」と述べた。一方、新型コロナウイルス感染症患者に対応していない医療機関も医業収益や医療ニーズが悪化していることを指摘した。

国による医療機関の経営調査については、「医療経済実態調査の実施が難しければ、例えば国立病院機構や労働者健康安全機構を調査して実態を把握し、中医協で公的な資料として活用すべきだ」と述べた。

医療機関への支援については、「これまでの固定費をカバーする支援を行わない限り、医療提供体制は維持できず、追加的支援は必至だと考えている。診療報酬による対応が是非必要である。それにあたっては新型コロナウイルス感染症患者以外の患者の自己負担増への懸念があるため、自己負担増分を公費で対応する仕組みを速やかに検討すべきだ」と提案した。

いわゆる「コロナうつ」や「コロナ太り」などに伴う疾病を早期に発見して通常の保険診療につなぐことが重要であるとし、「例えば、かかりつけ医へ行こうというGo Toキャンペーンも一案として考えている」と述べた。

先日、加藤勝信厚生労働大臣に申し入れを行った、感染防止対策を強化している医療機関に対する「安心マーク(仮称)」の掲示など厚労省から国民への広報を求めていく考えを示した。「安心マーク(仮称)」の詳細については厚労省と検討中とし、その概要は来週の定例会見で示す予定。

 

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