次期介護保険制度改正に向け介護保険部会が意見書(12月27日)
社会保障審議会介護保険部会は12月27日、「介護保険制度の見直しに関する意見」をまとめた。これを踏まえ、厚労省は令和2年の通常国会に介護保険法等改正法案を提出する方針。
改正の多くが令和3年度に施行される予定だ。また法改正事項ではないが、補足給付と高額介護サービス費について見直しが実施される。
部会は、団塊の世代が75歳以上となる2025年、団塊ジュニア世代が65歳以上となり高齢人口がピークを迎える2040年を見据えるとともに、地域共生社会の実現に向け、介護保険制度の見直しと、社会福祉法等に基づく社会福祉基盤の整備について、一体的な改革に取り組むことを提言した。
意見書では、「補足給付」と「高額介護サービス費」の見直しについて、「概ね意見の一致を見た」とした。厚労省は関係する政省令、告示などを改正する予定だ。
「補足給付」については、施設入所者及びショートステイ利用者の一部を対象に食費の補足給付を削減するとともに、補足給付の支給要件の一部を見直す。「高額介護サービス費」については、現役並み所得相当の自己負担上限額を、医療保険の高額療養費制度に合わせて見直す。
介護予防の推進のため、通いの場の促進に向けた取り組みを求めた。介護予防・日常生活支援総合事業について、利用対象者の弾力化や、サービス価格の上限を国が定める仕組みの弾力化を要請した。
保険者機能強化推進交付金について、介護予防や高齢者の活躍促進等の取り組みを一層推進するため、抜本的な強化を図る必要を強調。予算額の増額と毎年度の安定的な財源の確保も求めた。
さらに「財源を介護予防等に有効に活用するための制度枠組みを構築することも必要」とした。令和2年度予算案には、「介護保険保険者努力支援交付金」の創設が盛り込まれている。