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新しい年金時代

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2021年10月の記事一覧

数理の目レトロスペクティブ|#2 和算と洋算

 平成16年の年金改革はマクロ経済スライドの導入で特徴付けられる。同じ年、ドイツでも年金改革が行われ、マクロ経済スライドと酷似したスライド調整措置が導入された。今回はこの点を眺めてみたいと思う。  わが国の改革では、少子高齢化が限りなく進行するので、どこまでも保険料が上がり続けるのではないかという不安を払拭することがテーマのひとつだった。このため、例えば厚生年金の場合、保険料率を毎年少しずつ引上げ、平成29年以降は18.3%で固定することを法定した。しかしこの措置だけでは年

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遺族年金のしくみと手続~詳細版|#4 夫が行方不明後に死亡確認されたときの妻の遺族年金受給権

今回は、夫が行方不明となった後に死亡が確認された場合の妻の遺族年金の事例です。死亡してから短期間で死亡が確認されたため、「失踪宣告」に該当しません。夫の死亡日や生計維持認定日、妻の遺族年金の受給権発生日はどのようになるでしょうか。 夫が登山中に事故死して1ヵ月後に発見夫のA雄さんが事故により死亡したとのことで、令和3年9月2日に妻のB子さんが遺族厚生年金の請求で年金事務所に来所されました。A雄さんは厚生年金被保険者であって、老齢厚生年金の受給権者でもありました。 B子さん

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数理の目レトロスペクティブ|#1 社会現象と数学現象

 年金時代編集部から「数理の目」というテーマで連載文を書いてみないかというお誘いを受けた時、光栄なことと引き受けてしまった。しかし、後から考えてみると大変なことを引き受けてしまったと大いに緊張した日々を送ることになった。「数理的なテーマを随想風に書いて欲しい」というのが編集部のご下命であるが、自分が思う内容が果たして相応しいものか、また、対象をしっかりと表現できるかと自問自答してみると緊張感が増幅するのである。そんな心もとない船出ではあるが、精一杯努めさせていただくことで、読

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年金・税金 わたしの相談事例 公開します|#1 被扶養者のコロナ特例と適用拡大

潜在看護師のA美さんは、子どもがまだ小さいため、再び外に出て働くことを躊躇している状況ですが、なかなか収束に向かわないコロナ禍の中で、医療従事者が不足している現状を見聞きし、何か役に立てることはないかと考えていました。そんな矢先にワクチン接種に関わる期間限定の仕事の紹介があり、家族の協力を前提に前向きに考えたいと思いました。 ところが労働条件を確認すると、看護師の時給は比較的高く交通費も支給されるため、週20時間未満の勤務でも、社会保険の被扶養者の判断基準の年収130万円(

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