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年金記録訂正請求の受付件数は減少傾向――第11回社会保障審議会年金記録訂正分科会

厚生労働省の社会保障審議会年金記録訂正分科会(分科会長=山口由紀子・相模女子大学人間社会学部教授)は12月20日、令和4年度と令和5年度上期の年金記録訂正事業について報告を受けた。

第11回社会保障審議会年金記録訂正分科会

令和4年度の訂正請求の受付件数は4,969件となり、令和3年4月から令和4年3月までの前年度同期に比べて、1,044件減少した。制度別に見ると、厚生年金が4,739件(前年度同期比1,004件減)、国民年金219件(同39件減)、脱退手当金11件(同1件減)だった。訂正請求の受付件数の推移は、総務大臣あての確認申立てを行っていた期間を含め平成22年度以降、減少傾向にある。訂正請求の受付件数の制度別の割合としては、厚生年金が占める割合が95.4%と、昨年度と同様の傾向となっている。
令和5年度上期の受付状況を見ると、令和5年4月から同年9月までの令和5年度上期における訂正請求の受付件数(速報値)は1,893件で、前年度同期の1,971件と比べて、78件減少した。制度別に見ると、厚生年金1,766件(前年度同期比110件減)、国民年金123件(同33件増)、脱退手当金4件(同1件減)だった。

訂正請求の処理は厚生局で対応しているものと、日本年金機構で対応しているものがあるが、令和4年度の訂正請求の処理期間については、それぞれ全制度平均で前年度よりも短縮した。これについて厚労省は、令和3年度が新型コロナウイルス感染症の感染拡大による行動制限の影響で、確認作業に時間がかかったのに対し、令和4年度は行動制限が緩和されたことによるとしている。

委員からは、訂正請求の受付件数や処理期間などが着実に減少していることを評価する意見が多く出された一方で、高齢者をはじめとした国民全体に対する訂正請求や年金制度の説明をわかりやすくするよう求める意見が複数出された。また、令和6年10月から実施される被用者保険の適用拡大について、届出のそごが生じないように指導し、将来的に記録訂正請求が生じないようにしてほしいとの要請もあった。


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