厚生労働省年金局は8月4日、厚生年金・国民年金の令和4年度収支決算の概要を公表した。
【厚生年金】
厚生年金における令和４年度収支決算では、歳入は49兆1,516 億円となり、前年度より1,175 億円増加した。これは被保険者数の増加や平均標準報酬月額の上昇等により、保険料収入が増加したこと等によるもの。
歳出は48 兆4,628億円で、基礎年金の給付に要する費用の増加等により基礎年金勘定への繰入（基礎年金拠出金）が増加したこと等から、前年度より 92億円増加した。
この結果、歳入歳出差は6,887億円の黒字となり、前年度より1,083億円増加した。
【国民年金】
国民年金の令和4年度収支決算によると、歳入は3兆8,352億円で前年度より1,080億円減少した。歳出も3兆7,277億円と前年度より171 億円減少した。これは年金受給者数が減少するなど国民年金給付費が減少したこと等によるもの。
この結果、歳入歳出差は1,075億円の黒字となったが、前年度より908億円減少した。
【年金積立金】
令和4年度決算結了後の年金積立金は、厚生年金と国民年金を合わせて簿価ベースで122兆5,997億円、時価ベースでは207兆9,910億円となった。時価ベースの年金積立金は過去最高で、厚生年金については3年連続の増加（＋3兆4,777億円）となった。一方、国民年金の時価ベースの積立金は運用収入が落ち込み、3年ぶりの減少（△1,123 億円）となった。

厚生労働省「厚生年金・国民年金の令和4年度収支決算の概要」