見出し画像

特養に「入所申込をしたが入所していない・できていない人」を調査 要介護度3以上の該当者は3年間で3.9万人減少(12月23日)

厚労省は12月23日、特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)に関する調査結果を公表した。特別養護老人ホームに入所を申し込んでいるものの当該ホームに入所していない人について、各都道府県の集計結果をとりまとめた。

特別養護老人ホームに入所を申し込んでいるものの当該ホームに入所していない人(以下「入所申込者」)で、要介護度3以上の方の数は全国で25.3万人だった(下表)。このうち在宅の方は10.6万人だった。

3年前の前回調査に比べて、要介護度3以上の入所申込者は3.9万人減少した(▲13.5%)。

【要介護度3以上の方】
(全体)
2022(令和4)年度:25.3万人
2019(平成31)年度:29.2万人
2016(平成28)年度:29.5万人
(うち在宅の方)
2022(令和4)年度:10.6万人
2019(平成31)年度:11.6万人
2016(平成28)年度:29.5万人12.3万人

また、特例入所の対象である要介護度1・2の入所申込者は、全国で2.2万人(うち在宅1.1万人)だった。3年前の前回調査に比べて、要介護度1・2の入所申込者は1.2万人減少した(▲35.3%)。

すべての要介護度の合計では入所申込者は27.5万人(うち在宅11.6万人)だった。

【要介護度別にみた状況】
(全体)
要介護1:0.8万人(2.8%)
要介護2:1.5万人(5.3%)
要介護3:10.5万人(38.0%)
要介護4:9.2万人(33.5%)
要介護5:5.6万人(20.3%)
 合計:27.5万人(100.0% )
(うち在宅の方)
要介護1:0.4万人(1.4%)
要介護2:0.7万人(2.6%)
要介護3:5.2万人(18.7%)
要介護4:3.5万人(12.7%)
要介護5:1.9万人(6.9%)
合計:11.6万人(42.3%)

入所申込者数を単純に集計してしまうと、重複して申し込んでいる人や、死亡や要介護度改善により入所が不要となるも申込の取り下げをしていない人が含まれてしまうが、この調査では実数に近づけるように調整されている。

約9割の市町村が特例入所を運用

市町村における特別養護老人ホームの稼働状況をみると、半数近くの市町村が「基本的に全ての施設で満員」と回答している(下図左)。一方、一部の市町村は「施設や時期によっては空きがある」と回答している。

第105回社会保障審議会介護保険部会(2022年12月19日)資料

また、市町村における特例入所の運用状況をみると、「運用されている」と回答した市町村は87.4%となっている(上図右)。

特別養護老人ホーム等の新規入所者は要介護3以上の高齢者が原則となっているが、要介護1または2の高齢者であっても、やむを得ない事由があり、居宅において日常生活を営むことが困難な場合(介護保険施行規則第17条の10)には市町村の適切な関与のもとにおける「特例入所」が認められている。

社会保険研究所ブックストアでは、診療報酬、介護保険、年金の実務に役立つ本を発売しています。