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2025年以降の医療・介護、都市型の課題に対応 東京都医師会・尾﨑会長(2025年1月14日)

東京都医師会の尾﨑治夫会長は1月14日の定例会見で、年頭に当たって、2025年以降の医療・介護提供体制についての考えを述べた。従来の全国一律の制度設計から、各地域の実情に応じた政策立案や財源配分がより重要になるとの考えを示した。

写真:都市と地方での医療提供体制について述べる東京都医師会の尾﨑治夫会長=1月14日

尾﨑会長は、2025年以降に後期高齢者の増加と医療・介護費の急増により、財源問題が一層深刻化すると指摘。「財源を絞るだけでは、医療・介護の質が落ちてしまう。すぐには難しいかもしれないが、安定的な財源として消費税を検討する必要がある」と述べた。

東京都については、「人口が減らないまま高齢化が進むため、外来、入院、在宅医療のすべてが2040年以降も増え続ける。他の道府県とはまったく異なる状況になる」と説明。その上で、「2025年を境に、47都道府県それぞれの医療・介護の運命が大きく変わる。大多数の自治体では過疎化が進む一方で、東京や政令指定都市では人口が減らないまま高齢化が進行し、医療逼迫が避けられない」との見通しを示した。

中央の役割に変化を

こうした状況を踏まえ、「これまで全国一律の医療・介護を財務省や厚労省、日本医師会が中央で議論してきた。しかし、今後は都市型医療や人口減少下の医療について議論する流れを作らなければ、東京の医療はかじ取りが難しくなる」と指摘した。

その上で、「各都道府県が5年先、10年先の医療・介護の需要を予測して考えるべきで、その結果に基づいた財源分配を議論することが重要だ。これが今後の国や日本医師会の役割になるのではないか」と述べた。

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