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年金積立金は過去最高額の255兆5,650億円――厚年・国年令和5年度収支決算

厚生労働省は8月2日、厚生年金保険・国民年金の令和5年度収支決算を公表した。厚生年金の歳入は、49兆700億円となり、被保険者数の増加や平均標準報酬月額の上昇等により、保険料収入が増加した一方で、基礎年金勘定への繰入(基礎年金拠出金)の減少等に伴い、一般会計からの受入が減少したことなどから、前年度より減少した。歳出は、46兆7,084億円となり、厚生年金保険の保険給付費が増加した一方、基礎年金を確実に支給するために必要と見込まれる金額を繰り入れた結果、基礎年金勘定への繰入(基礎年金拠出金)が減少したこと等から、前年度より減少した。この結果、令和5年度決算の歳入歳出差は2兆3,616億円となり、前年度より増加した。

厚生労働省資料より

国民年金の歳入は、3兆7,410億円となり、基礎年金勘定への繰入(基礎年金拠出金)の減少等に伴い、一般会計からの受入が減少したことなどから、前年度より減少。歳出は、3兆5,032億円となり、基礎年金を確実に支給するために必要と見込まれる金額を繰り入れた結果、基礎年金勘定への繰入(基礎年金拠出金)が減少し、前年度より減少した。歳入と歳出は減少したものの、歳入歳出差は2,377億円となり、前年度より増加した。

厚生労働省資料より

令和5年度決算結了後の年金積立金は、簿価ベースで125兆2,541億円だった。時価ベースでは、前年度から47兆5,740億円増加した255兆5,650億円となり、金額・伸び幅ともに過去最高となった。なお、厚生年金保険は4年連続の増加(+45兆5,086億円)、国民年金は2年ぶりの増加(+2兆0,654億円)となった。

厚生労働省資料より

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