#35|初診日特定が難しい傷病による障害年金請求 その1(線維筋痛症)
障害年金における障害等級や傷病間の相当因果関係は、障害年金の認定医や診査担当が認定することであり、請求時点で断定できるものではありません。しかし、初診日の特定や必要書類の整備等を実施する際には、ある程度、相当因果関係の有無を予測して進める必要があります。
従って、前に罹患している疾病(または負傷)があれば、現在の障害と相当因果関係があるかの確認が重要であることは以前からも述べているところですが、中にはその予測が非常に困難である時もあります。予測が困難ですと、当然のことながら、初診日がいつで、どのような書類を整備すればよいかという判断も悩ましくなります。
このような場合、「必ずこうした方がよい」という確実な方法はなく、ケースバイケースでよりよい方法を選びながら請求を進めていくほかはありません。また、過去の類似傷病や類似請求事例も、その方法選びの貴重な判断材料になるでしょう。
その判断材料の参考にしていただきたく、今号を含め3回にわたり、初診日の特定に苦慮した請求事例を検証していきたいと思います。
1.線維筋痛症とは
この病気の症状は、多岐にわたります。主な症状としては、身体の広範囲に原因不明の慢性疼痛が出現することですが、一方で、頭痛や全身倦怠感、ドライアイといった疼痛とは異なる症状や、睡眠障害や抑うつ等の精神的な症状が出現することも多い病気です。生命を脅かす病気ではありませんが、完治させる治療法がないことから、重症化することもしばしばあり、そうなると、仕事や日常生活に多大な支障をきたすことになるでしょう。
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