都医師会の尾﨑会長「感染者、重症者を減らし医療を守る」(12月8日)
東京都医師会の尾﨑治夫会長12月8日の会見で、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が増加している現状に対し、「感染者、重症者を減らして医療を守ってほしい」と呼びかけた。
尾﨑会長は、病床数が確保によって医療提供体制を維持できるわけではないことを指摘し、「医療を守るのはベッドではなく、そこで働く人だ。これ以上、感染者や重症患者が増えれば、新型コロナの患者も一般医療の患者も両方守れない状態が近づいている」と危機感を示した。
その上で、国に対しては「Go Toキャンペーンをはじめとする人の動きを止めていただきたい」と述べた。都には、引き続き独自の対策の実施を要請。都民には「改めて感染予防にしっかり取り組んでほしい。特に若い人にお願いしたい」と求めた。
一方、猪口正孝副会長は、新型コロナの都の感染状況を説明。新規感染者数については「12月2日の時点で400人を超え、第一波、第二波を超えていることを再認識してほしい」と述べた。
特に高齢者の新規感染者が急増していることについては、「この人たちは入院医療提供体制に非常に負荷がかかる。重症化もあるが、入院期間が長くなる。高齢者が感染していることが非常に大きな問題だ」と強調した。
都の入院確保病床の使用率は約70%まで高まっていることを指摘し、「東京は急性期医療の病床の稼働率は80~85%で対応している。このまま患者が増え続けていくと、ベッドがあっても入院や治療の調整がつかなくなる。この70%程度で抑えたい」と述べた。
猪口副会長は、「今後、病床を拡張するなどいろいろな安全弁をつくっているが、一つひとつ乗り越えられてきているような非常に嫌な印象を持つ。ここでなんとしても食い止めないと、救いたいけど救えない命がでてくる。対策は、新規感染者を減らす以外ない」と訴えた。