新たな地域医療構想の論点案を提示 2024年末までに結論(2024年6月21日)
厚労省は6月21日の新たな地域医療構想等に関する検討会(遠藤久夫座長)において、ヒアリング結果を踏まえ、新たな地域医療構想の論点案を示した。同日、閣議決定された政府の「骨太の方針2024」にも、法制上の措置を含め、2024年末までに新たな地域医療構想の結論を得る方針が明記された。今後、同検討会で議論を続け、秋頃に中間まとめ、年末に最終まとめを行う予定だ。
論点では、新たな地域医療構想の方向性(総論)に続き、具体的な内容として以下を挙げた。
入院(病床の機能分化・連携等)
外来医療、在宅医療
医療・介護連携
人材確保
医療機関機能、構想区域、医療提供体制のモデル
地域医療構想調整会議、地域医療介護総合確保基金、都道府県知事の権限、市町村の役割等
総論については今回、イメージ案も示した。
持続可能な質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指す
総論のイメージ案では、新たな地域医療構想が、「2040年頃を見据えて、85歳以上人口の増加、生産年齢人口の減少に伴い、医療従事者の確保が困難となることが見込まれる中で、地域ごとに在宅医療や医療・介護複合ニーズ等の増加、生産年齢人口に係る医療需要の減少等に対して、医療機関等が機能に応じて連携するとともに、介護施設・事業者・住まい等とも連携しながら対応することにより、持続可能な質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指すもの」とまとめている。
その際に、大都市部、地方都市部、過疎地域などの地域差に留意しながら、「身近な地域におけるかかりつけ医機能やそれを支える入院機能等、より広い区域における二次救急等を受け入れる機能、さらに広い区域における三次救急や人材確保等の拠点となる機能等の確保など、階層的に地域で必要な医療提供体制の確保を目指す」とし、別途議論されているかかりつけ医機能の制度整備と両輪で推進する考えを示した。
国は地域類型ごとに医療提供体制のモデル示す
厚労省は、国として、「地域の類型(大都市部、地方都市部、過疎地域等)ごとの医療需要の変化に対応する区域のあり方や医療提供体制のモデル(医療DX、遠隔医療等の取組の反映)を示す。地域の協議の参考となる地域診断のデータを示す」とした。
医療計画と地域医療構想の関係を明確化
また、中長期的な将来ビジョンを示す地域医療構想と、6年を計画期間とする医療計画の関係を明確化し、現状では医療計画の中の計画の一つとして、地域医療構想が位置付けられていることの是非を含め、必要に応じて法制上の措置を講じる考えも示された。