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日本地域医療学会が記念集会を開催 サブスぺ認定へ地域医療総合専門医制度を開始(6月24日)

日本地域医療学会(理事長=小野剛・全国国民健康保険診療施設協議会会長)は6月24日に設立記念集会を開催した。地域医療総合専門医のサブスペシャルティ認定に向け、地域医療総合専門医制度を開始するとした。

シンポジウムでは、地域医療を支える総合診療医の意義と魅力を強調し、学会への入会を呼びかけた。

冒頭の情勢報告で、小野理事長は、「高齢化が進む日本の地域医療を支えるのは総合診療医だ。総合診療医の魅力は一人の患者の人生に寄り添う点であり、やりがいも感じられる。しかし、現状として総合診療医に進む専攻医は少ない。我々は、人と地域を丸ごと見られるような地域総合診療医をサブスペシャルティとして確立させ、総合診療専門医をめざす若い医師たちを増やす一翼を担っていきたい。今後は幅広くPRしながら、学生、研修医、総合診療専攻医、あるいはキャリアチェンジを考える医師に、日本地域医療学会に入会いただき、一緒に日本の地域医療をつくりたい」と述べた。

小野剛理事長

大原昌樹理事(全国国民健康保険診療施設協議会副会長)は、日本地域医療学会が創設する地域総合専門医制度について説明。学会独自の認定制度として開始し、将来的にはサブスペシャルティとして日本専門医機構からの認定をめざすとしている。あわせて、来年度から開始する「地域医総合診療専門医専門研修プログラム」への参加を呼びかけた。

設立記念講演では、厚労省の鷲見学・医政局地域医療計画課長が、「新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた今後の地域医療構想・医療計画について」をテーマに講演。全世代型社会保障構築会議の中間とりまとめや「骨太の方針2022」を受け、地域医療構想のさらなる取組みの推進が重要と強調。外来機能報告・紹介受診重点医療機関の調整についても、地域医療構想調整会議を活用し推進していくことを求めた。

厚労省の鷲見地域医療計画課長

シンポジウムでは、大浦誠・南砺市民病院内科副部長、中村伸一・おおい町国民健康保険名田庄診療所長、白石吉彦・島根大学附属病院総合診療医センター長、隠岐広域連合立隠岐島前病院参与の3名が登壇。地域医療のこれまで取組みを紹介するとともに、今後の地域総合診療専門医の養成に向けたポイントを説明した。

日本地域医療学会は、昨年9月、地域医療に従事する総合診療医の活動を評価し、「地域総合診療専門医」を総合診療領域のサブスペシャルティとして位置づけるため、「地域医療を守る病院協議会」に加盟する全国自治体病院協議会、日本慢性期医療協会、地域包括ケア病棟協会、日本公的病院精神科協会、全国国民健康保険診療施設協議会、全国厚生農業協同組合連合会を中心に設立された。  

本会の模様は後日「社会保険旬報」でもお伝えします。

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