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日医がオンライン健康相談で定義の明確化や指針の作成を要請(10月7日)

日本医師会の中川俊男会長は10月7日の会見で、オンライン健康相談について日医の提案を発表した。

民間企業が運営し、カウンセラーに医師を配置していることが多いオンライン健康相談事業に対し、国としての定義の明確化をはじめ、省庁横断的な指針の作成や業界ガイドラインの作成、利用者リテラシーの向上を要請した。

国による定義が明確でないことから、医療法上の医師と医師以外の業務範囲の定義に鑑み、医師以外での相談業務を「オンライン生活相談」等の名称とすることを提案。たとえば「オンライン健康相談」は医師、「オンラインお薬相談」は医師と薬剤師、「オンライン出産・育児相談」は医師と保健師・助産師・看護師、「オンライン栄養相談」は医師と薬剤師と保健師・助産師・看護師と管理栄養士・栄養士が対応することを示した。

国の指針については、オンライン健康相談事業はビジネスとして経産省の所管だが、厚労省や経産省など関係省庁が横断的に作成するとともに、必要であれば法規制の創設を行うべきとした。業界ガイドラインは、国の指針を踏まえて医師会や患者団体などの参画を得て作成することを求めた。

かかりつけ医が一連の診療行為の下で行うオンライン健康相談については、診療報酬で適切に評価することを提案。「次の診療報酬改定になるかどうかはわからないが、中医協で議論する問題だ」と述べた。

オンライン診療やオンライン健康相談について中川会長は、「オンラインでできる範囲を着実に少しずつ広げていくべきだ。時代の趨勢であるICT化の流れに日医が抵抗しているとの誤解があるが、それを払しょくするために今回のような提案をした」と述べた。

菅首相のオンライン診療の恒久化の方針については「菅首相も一気呵成に恒久化しろとはいってない。決して首相の方針と全面的に齟齬があるわけではなく、少しでもICT化を導入しようという姿勢はまったく同じ。できるものから導入するように丁寧に相談していきたい」と述べた。

一方、同日の会見で長島公之常任理事は「オンライン診療時の医師資格と本人資格について患者の安全・安心を確保するための提言」を発表した。

医師のなりすまし防止策として、日医が発行している「HPKIカード(医師資格証)」の画面提示を行うことを提案。同カードは顔写真が貼付しており、カード券面には偽造防止用ホログラムが貼ってあり偽造は困難で、医師資格・本人確認に最も適しているとした。

HPKIカードは日医会員以外にも発行しているが、現在約1万7千人分の配布状況で、全医師数の5%強にすぎない。このため、全医師に配布するための財源を含めた措置を求めた。

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