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医療保険部会が令和6年度診療報酬改定の基本方針策定の議論をスタート(2023年8月24日)

社会保障審議会医療保険部会は8月24日、令和6年度診療報酬改定の基本方針策定の議論をスタートした。厚労省が前回令和4年度改定の基本方針を説明した後、委員による意見交換が行われた。

基本方針策定の議論は翌25日の医療部会での議論も開始され、12月には両審議会連名によって策定される見通し。

令和4年度診療報酬改定の基本方針は、

  1. 新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で 質の高い医療提供体制の構築(重点課題)

  2. 安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等 の推進(重点課題)

  3. 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現

  4. 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上

――の4つの基本的視点とそれに基づいた具体的方向性が示された。

日本医師会の猪口雄二委員は、「6年度改定はトリプル改定であり、骨太方針2023では同時改定に向けては『物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者・利用者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者・利用者が必要なサービスを受けられるよう、必要な対応を行う』とされている。特に食事療養費については26年間見直しが行われておらず、ほとんどの病院は給食は赤字であり、給食業者も提供困難な現実がある。骨太の方針に基づいた同時改定が実現されるように強く求める」と訴えた。新型コロナの診療については「特例措置が縮小されてきているが、新型コロナに限らず新たな新興感染症にも対応できる感染症への対策を診療報酬上で評価することの検討も必要になる」と述べた。
医療DXについては、「医療機関の負担の極小化を実現するためには、診療報酬改定の施行時期を後ろ倒しするだけでなく、同時に他の取り組みも必要である」と述べた。

健保連の佐野雅宏委員は、「令和4年度改定の検証が必要だ。引き続き重要課題として残っているものや、前回から状況が変わっているものなど、整理することが重要である」と述べた。
医療費が足元で高い伸びを示している一方で、支え手が急速に減少している状況を指摘し、「社会保障制度の安定性、持続可能性の確保が不可欠である」と強調した。
入院・外来については、「依然として、効率的で効果的な医療提供体制が構築されたと言える状況ではない。次期改定で取り組みを強化・加速させるべきだ」と述べた。

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