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審査結果の不合理な差異解消、工程表よりも前倒しで進捗(11月1日)

社会保険診療報酬支払基金の須田俊孝理事長特任補佐は11月1日の会見で、支払基金改革の進捗状況を発表した。重複や整合性の整理など審査結果の不合理な差異解消の取組みについては、審査支払機能の改革工程表で示されたスケジュールよりも前倒しで進んでいることを明らかにした。

厚労省の審査支払機能の在り方に関する検討会が昨年3月に策定した改革工程表では、支部取決事項について①2022年10月までに重複や整合性を整理する②2024年4月までに審査基準を全国統一するための検討を一巡させる③2022年10月までに統一完了する期間を確定する―の3点を示した。

重複・整合性の整理は9月末時点で終了した。審査取決事項の統一に向け、全国で約3万3000の取決めについて本部およびブロックの診療科別ワーキンググループで検討した結果、医科2万6487、歯科6246、調剤466の支部取決事項は、整理後は医科1万978、歯科1100、調剤335となった。

検討の一巡については、医科は2023年9月までに終了する。歯科は今年2月に、調剤は今年3月に終了している。

今後未収れん事例を再検討

統一完了までに要する期間は、医科は検討の一巡終了後の2023年未収れん事例の再検討を行い、2025年3月に統一に向けた検討を完了する。歯科は今年8月に基金内の基準の統一が完了。調剤は今年10月に未収れんの9事例の再検討を行い、今年度中に統一に向けた検討を完了する。

順調に進んでいる理由については「診療科別のワーキンググループを設置して、効率的に進むように工夫しながら精査した結果だと思う」と述べた。

一方、支払基金改革におけるAIによるレセプトの振分機能の実装の取り組み状況を報告。令和3年9月の審査支払新システム稼働後2年以内にレセプト全体の9割程度をコンピュータチェックで完結する目標に対し、10月審査分(9月診療分)では目視割合は16.9%(コンピュータチェックの割合83.1%)となった。来年10月からコンピュータチェックのレセプトが9割に達すると見込んでいる。

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