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謎の新興国アゼルバイジャンから|#50 「健康寿命」再論

香取 照幸(かとり てるゆき)/アゼルバイジャン共和国日本国特命全権大使(原稿執筆当時)

*この記事は2019年7月2日に「Web年金時代」に掲載されました。

本稿は外務省とも在アゼルバイジャン日本国大使館とも一切関係がありません。全て筆者個人の意見を筆者個人の責任で書いているものです。内容についてのご意見・照会等は全て編集部経由で筆者個人にお寄せ下さい。どうぞよろしくお願いします。

みなさんこんにちは。
まずは近況報告。

アゼルバイジャンは自分の国の知名度を上げるために、積極的に様々な国際イベント、スポーツ大会、国際会議などを誘致・開催している、というお話は以前にもお伝えしたと思います。
4月から6月にかけては、時季もいいこともあってバクーは各種国際イベントが目白押しになります。4月末のF-1アゼルバイジャングランプリ、異文化国際対話フォーラム(この二つは以前に紹介しました)、Caspian Oil & Gas Exhibitionといった毎年開催されている国際イベントに加えて、今年はパラリンピック世界柔道選手権、UEFAヨーロッパリーグ決勝戦、WCO(世界税関機構)理事会、UNWTO(世界観光機関)執行理事会、そしてEuropean Youth Summer Olympic Festival等々、毎週のように大きなイベントが開催されました。

こういった大きな国際イベントには各国大使も招待されるのが通例です(本国からの出張者のない国際会議だと大使が代表として参加することもあります)。
国際機関が主催する会議やイベント(conference/exhibition/symposium)は、世界中から当該分野の専門家や行政機関の責任者が集まって議論を交わします。当地にあって、その分野に関する世界の動向をリアルタイムで知ることのできる非常に貴重な機会になるので、大使としてはとても勉強になります。

6月上旬に開催されたWCO(世界税関機構)の Conference & Exhibition。
今年のテーマは「通関業務のIT化」。
Microsoft、IBM、Huaweiなど40社近い名だたる世界のIT企業が参加する大きな会議でした。
Opening Remarksの壇上。
向かって右から御厨WCO専務理事、マムマドフ アゼルバイジャン首相、
メフディエフ アゼルバイジャン関税委員会委員長。

さて。ここから本題です。

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