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医療DX令和ビジョン2030厚労省推進チームが発足 診療報酬「共通算定モジュール」などを検討(9月22日)

厚生労働省は9月22日、「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チームを発足させた。

加藤勝信厚労相をチーム長に、関係課室長などで構成。「電子カルテ・医療情報基盤タスクフォース」と「診療報酬改定DXタスクフォース」を設置する。岸田総理を本部長として近く設置予定の「医療DX推進本部」に対し、進捗状況を定期的に報告する。

第1回会合においてチーム設置の趣旨を述べる加藤勝信厚労相(中央)=9月22日 骨太方針2022(下記)を踏まえ、「全国医療情報プラットフォーム」「電子カルテ情報の標準化、標準型電子カルテの検討」「診療報酬DX」を骨格とする。

経済財政運営と改革の基本方針2022(令和4年6月7日閣議決定)
第4章 中長期の経済財政運営
2.持続可能な社会保障制度の構築(社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進)
…「全国医療情報プラットフォーム143の創設」、「電子カルテ情報の標準化等144」及び「診療報酬改定DX」145の取組を行政と関係業界146が一丸となって進めるとともに、医療情報の利活用について法制上の措置等を講ずる。そのため、政府に総理を本部長とし関係閣僚により構成される「医療DX推進本部(仮称)」を設置する。…
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143 オンライン資格確認等システムのネットワークを拡充し、レセプト・特定健診等情報に加え、予防接種、電子処方箋情報、自治体検診情報、電子カルテ等の医療(介護を含む)全般にわたる情報について共有・交換できる全国的なプラットフォームをいう。
144 その他、標準型電子カルテの検討や、電子カルテデータを、治療の最適化やAI等の新しい医療技術の開発、創薬のために有効活用することが含まれる。
145 デジタル時代に対応した診療報酬やその改定に関する作業を大幅に効率化し、システムエンジニアの有効活用や費用の低廉化を目指すことをいう。これにより、医療保険制度全体の運営コスト削減につなげることが求められている。
146 医療界、医学界、産業界をいう。

医療DXとは「より良質な医療やケアを受けられるように社会や生活の形を変えること」

「診療報酬DX」については、診療報酬改定の際にソフトウエアの改修などに短期間で集中的に対応するため、医療機関やベンダなどに大きな業務負担が生じていることから、「共通算定モジュール」の導入や改定の円滑な施行に関する検討を行う。

なお、本会議では「医療DX」を次のように規定した。

医療DXとは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤を通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることと定義できる。

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