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健保法等改正法案が衆院厚労委で可決、立憲・維新は反対(2023年4月12日)

衆院厚生労働委員会は4月12日、かかりつけ医機能の制度整備や出産育児一時金の費用を後期高齢者医療制度が支援することなどを盛り込んだ健康保険法等改正法案について自民・公明・国民民主の賛成多数で可決した。附帯決議はなかった。同13日の本会議で衆院を通過する見通し。

採決に際し、立憲民主、維新、共産の3党の代表は反対討論を行った。

立憲民主の中島克人委員は、かかりつけ医機能の制度整備について「単なる外来機能報告制度の拡充をかかりつけ医機能報告と言い換えた看板に偽りのある『羊頭狗肉』である。かかりつけ医の定義を定め、かかりつけ医機能の大まかな内容を示した上で、法案を再提出すべきだ」と主張。

また、政府が出産費用への医療保険適用導入の検討という突然の大きな方針転換を図ったことに触れ、「これまで多くの委員が出産費用への保険適用の導入を訴えてきた。しかし、岸田首相は本法案の本会議質疑でも慎重な姿勢を崩さなかったのに、本法案審議中に突然、公表した。それならば本法案になぜ内容が盛り込まれていないのか。政府は速やかに法案に盛り込んで再提出すべき」と述べた。

維新の吉田とも代委員は、かかりつけ医機能の制度整備について「まず、かかりつけ医を定義すべきだ。本法案のままでは、かかりつけ医機能を持つとされた医療機関の医師に、たまたま治療を受けた患者は自らのかかりつけ医がその医師であると誤解することにもなりかねない。誤解を招く法整備は避けるべきだ」と訴えた。

「かかりつけ医定義すべき」「便乗値上げ警戒」

出産育児一時金の引上げについては「4月から出産育児一時金を増額し、医療機関の便乗値上げには出産費用の見える化の強化で対応するとしている。しかし、既に医療機関の便乗値上げ実施が報じられており、本法案の内容では出産・子育て世帯への確実な支援とはならない」と指摘。

本法案審議中の3月31日に通常分娩への保険適用を含めた検討が公表されたことに触れ、「なぜ本法案に検討内容が盛り込まれていないのか。対応が後手に回っていると言わざるをえない」と述べた。

衆院厚生労働委員会=4月12日

 
 
 

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