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介護医療院への転換を訴える(10月2日)

厚労省は2日、「介護医療院開設に向けた研修会」を開催した(三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱に実施を委託)。同省老健局老人保健課の眞鍋馨課長は、令和5年度末で廃止される介護療養型医療施設からの介護医療院等へのなるべく早い移行を訴えるとともに、介護医療院の移行定着支援加算は原則、今年度末で廃止する予定であることを説明した。

「介護医療院の創設経緯、理念や求められる役割」について講演した眞鍋課長は、介護療養病床(介護療養型医療施設)は医療法・介護保険法上では経過措置により残っていることや、関係者の丁寧な議論を経て受け皿として介護医療院が平成30年度から導入された経緯を説明。「介護療養は令和5年度末に確実に廃止されると考えている」と述べ、介護医療院等への転換を求めた。

転換した介護医療院が算定できる移行定着支援加算(93単位/日)は、令和3年3月31日までの時限的なものとして30年度介護報酬改定で導入された。算定開始から1年間算定できる。令和3年度の報酬改定に向けて議論している社会保障審議会介護給付費分科会では、その延長を求める意見と廃止を主張する意見の両論が出ている。

眞鍋課長は、移行定着支援加算について「原則、この期限(令和3年3月31日)で廃止だと思っている。なるべく早く介護医療院に移行していただければその日から算定していただける。なるべく長く算定していただければ」と述べ、1日も早い転換を重ねて呼び掛けた。

続いて「事業者の立場から考える介護医療院への期待」について講演した日本介護医療院協会の鈴木龍太会長も、「要望していたが、移行定着支援加算の延長はなさそうで残念だ」と述べるとともに、来年3月までは算定できることから早期の転換を促した。

鈴木会長は、介護医療院の開設状況について言及。6月時点で515施設・3万2634床となっているが、3月の343施設・2万1738床から6月にかけて急増。4月に開設すれば移行定着支援加算が1年間算定できることから「駆け込み開設があったのではないか」と分析した。また介護医療院が無い都道府県が無くなったことなどから、「開設に向けて順調に動き出した印象」と評価。今後の見通しとしては、「医療療養病床の経過措置からの移行がほとんどなかったので介護医療院は6万床くらいになると見込んでいる」と述べた。

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