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日医会長、かかりつけ医・医療機関の認定制に反対(2月15日)

日本医師会の松本吉郎会長は2月15日の会見で、10日に国会に提出された健保法等改正法案に盛り込まれたかかりつけ医機能の制度整備ついて見解を示した。かかりつけ医・かかりつけ医療機関の認定制に反対を表明した。

かかりつけ医の制度整備の議論を振り返り、「改めて申し上げるが、かかりつけ医はあくまで国民が選ぶものだ。フリーアクセスで国民が適切な医療機関を自ら選択できるように支援することが必要だ。制度によってしばっても決してうまくいかない」と発言。

「国民にかかりつけ医を持つことを義務付けたり、割り当てたりすることには反対する。患者は診療科別や専門性の観点からかかりつけ医を複数持つことも多く、かかりつけ医は複数あることが自然だと考えている。国民・患者は、かかりつけ医を固定するような提案を決して望んでいないのではないか」と述べ、1人の医師だけを登録する「登録制」に改めて反対した。人頭払いについても「今の複雑かつ高度な医療においては現実的な提案ではない」と述べた。

「かかりつけ医は複数あることが自然」

医療機関については「必ずしも一つの医療機関が、かかりつけ医機能の全てを持たなければならないわけではない。地域で面としてのかかりつけ医機能をしっかり果たしていくべきだ。今回、かかりつけ医機能を複数持つという日本の良さを残した方向性が共有されたことはよかった。それぞれの地域では医師会が中心に連携し、夜間・休日の対応などを担っているケースも多くある。不足している機能の充足に向けては、医師会を中心として各地域で検討することが今後求められるだろう」と述べた。

医師に対しては、「医師もかかりつけ医として選ばれるための努力が今まで以上に求められる。日医かかりつけ医機能研修制度を受講するなど、自己研鑽に励んだ上で地域の医療を面として支えるために医療機関間で役割分担をしながら連携していくことが求められる」と述べた。

その上で、松本会長は「かかりつけ医・かかりつけ医療機関の認定制には明確に反対する。かかりつけ医機能の報告はかかりつけ医を認定するものではない。機能を持っていないから、その医師はかかりつけ医ではないといったものではない。また、かかりつけ医とかかりつけ以外の医師を区別するものではないと認識している」と強調した。

自民党の厚生労働部会における法案審議に触れ、「部会で議論になった都道府県による確認について厚労省は、『行政庁の処分対象となる行政行為ではなく、現時点での診療実績の有無や受け入れ体制を含めた事実行為としての確認だ』と説明したと聞いている」と言及。

かかりつけ医機能報告の都道府県が確認する仕組みについては「行政処分につながるものではなく、あくまで外形的に事実を確認するものだと認識している。現時点では問題にするものではない」との認識を示した。

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