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2月からの介護職員の処遇改善で実施要綱案等が示される(1月26日・31日)

厚生労働省は1月26日、2月からの月額9,000円相当の介護職員の処遇改善に向け、「介護職員処遇改善支援補助金」の実施要綱案やリーフレット、コールセンターの設置などに関して都道府県に向けて事務連絡を発出した。さらに1月31日にはQ&Aを発出。コールセンターは2月1日から対応を開始した。

正式な実施要綱は4月1日に発出される予定であり、当面は実施要綱案を踏まえて進む。補助金の交付を受ける介護サービス事業所は2月分から賃金改善を実施し、その旨を原則として2月末日までに都道府県に報告する必要がある。ただしQ&Aでは柔軟な対応についても示している。


10月以降は臨時の介護報酬改定で処遇改善を継続

補助の実施主体は都道府県。補助金による処遇改善は2~9月分まで実施され、10月以降は臨時の介護報酬改定を行い、同様の措置を継続する予定だ。

補助金交付の要件は大きく3点。①介護職員処遇改善加算Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのいずれかを取得していること②原則として2月分から賃金改善を実施すること③補助金の全額を賃金改善に充てるとともに、賃金改善の合計額の3分の2以上をベースアップ等に充てること──が求められる。「ベースアップ等」とは、「基本給」または「決まって毎月支払われる手当」の引き上げをいう。2月分からの賃金改善が、就業規則等の改正が間に合わないなどの理由で実施できない場合、3月分とまとめて実施することも認める。2・3月分は一時金等による支給も可能とする。なお処遇改善加算の対象外のサービスは補助を受けられない。

補助金の交付を受ける介護サービス事業所は、2月分から賃金改善を実施した旨を原則として2月末日までに都道府県に報告する。報告の様式は各都道府県から示される。たとえば東京都は2月上旬を目途にホームページに掲載するとしている(追記:2月7日午後から報告のための専用ホームをホームページに開設した)。事業所はその後、4月15日までに介護職員処遇改善計画書(介護職員処遇改善支援補助金分)を都道府県に提出する。実際の補助金の支払いは都道府県国保連が行い、6月から開始される予定だ。さらに実績報告書を令和5年1月末までに都道府県に提出する。計画書や実績報告書の様式も都道府県から示される。

補助金は「ある月の総報酬」にサービスごとに設定した交付率(表1)を掛け合わせた額が交付される。交付率は、標準的な職員配置の事業所で、介護職員1人当たり月額9,000円相当の補助金が交付されるように設定されている。事業所内での補助金の配分は柔軟に認められ、介護職員以外の職員の賃金改善に充てることも可能だが、厚労省は介護職員の処遇改善を目的とした補助金であることを十分踏まえた配分を要請している。賃金改善実施期間全体として補助金の額を上回る賃金改善を行うことも必要で、処遇改善の継続も必須だ。

厚労省は、介護サービス事業所からの問い合わせに対応するため、コールセンターを設置。2月1日から相談を受け付けている。

●介護職員処遇改善支援補助金コールセンター
☎03-6812-7835(受付時間:平日9:30~17:30)

2・3月の賃金改善分をまとめて支給する場合は3月末までの報告で可

厚労省が1月31日に発出した介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&Aでは、補助金を申請する事業所は2月分から賃金改善を開始していることについて原則として2月末日までに都道府県に報告する必要があるとする一方、柔軟な対応も示した。

具体的に①3月分とまとめて2月分の賃金改善分を支給する場合は3月末日までの報告も認める、②やむを得ない事情により、2月分から賃金改善を行っているにもかかわらず未報告であった場合は処遇改善計画書の提出時に合わせて報告すること──としている。

また介護予防・日常生活支援総合事業の指定サービス事業所については、介護給付サービスにおける介護職員処遇改善加算と同様の加算が当該市町村において設定されており、事業所がその加算を算定している場合は、補助金の対象としても差し支えないとしている。

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