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〔歯科〕院内感染防止対策推進の観点から初・再診料の評価見直し等/【新刊】『診療報酬点数表 改正点の解説(歯科) 令和4年4月版』

令和4年4月1日から改定される診療報酬(歯科)にいち早く対応し、改定の全貌が分かる書籍、『診療報酬点数表 改正点の解説(歯科) 令和4年4月版』を発刊しました。

主要な歯科改定項目

歯科初診料・再診料の主な見直し

歯科領域における主要な改定項目では、基本診療料(A000歯科初診料、A002歯科再診料)が見直されました(それぞれ264点、56点)。

外来診療における院内感染防止対策を推進し、新興感染症にも適切に対応できる体制を確保する観点から、①歯科初診料の施設基準である歯科医師等を対象とした研修に「飛沫感染防止対策等の新興感染症対策に係る研修」が追加され、②歯周基本治療処置等が廃止されるとともに、基本診療料の評価が充実された格好です(①については経過措置あり)。

また、著しく歯科診療が困難な者に対する歯科診療所と病院の連携を推進する観点から、歯科診療特別対応連携加算(A000初診料)の対象となる医療機関に「一定の実績を有する病院」が追加され、その施設基準では、「他の歯科医療機関との連携体制の整備」を求めることが明確化されました。加算の評価も見直されています(改定前100点→改定後150点)。

医学管理等・在宅医療の主な見直し

医学管理等では、口腔に症状が発現する疾患に係る医科歯科連携を推進する観点から、総合医療管理加算(B000-4 歯科疾患管理料)及び在宅総合医療管理加算(C001-3 歯科疾患在宅療養管理料)について、①施設基準が廃止され、全ての歯科医療機関が対象となり、②対象患者にHIV感染症患者が追加されました。

また、ライフステージに応じた口腔機能管理を推進する観点から、B000-4-3口腔機能管理料及びB000-4-2小児口腔機能管理料について、口腔機能の低下がみられる年齢等の実態を踏まえ、対象患者の年齢の範囲が拡大されました(それぞれ65歳以上→50歳以上、15歳未満→18歳未満)。

在宅医療では、質の高い在宅歯科医療の提供を推進する観点から、以下の見直しが行われました。

  1. 歯科訪問診療の実態を踏まえた、診療時間が20分未満の歯科訪問診療を行った場合の減算の見直し(C000歯科訪問診療料の歯科訪問診療1から3までそれぞれ所定点数の100分の 80、100分の70、100分の60に相当する点数を算定)

  2. C001-5在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の対象疾患に口腔機能低下症が含まれることを明確化。また、C001-6小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料について、対象年齢を15歳未満から18歳未満に引き上げ、「18歳に達した日以後も継続的な歯科疾患の管理が必要な者」を対象患者に追加し、評価を見直し

  3. 在宅療養支援歯科診療所1及び2の施設基準について、歯科訪問診療の過去1年間の実績要件を変更し(合計歯科訪問診療回数1が18回以上、2が4回以上。1の要件については経過措置あり)、当該施設基準に関連する項目の評価(C001-3歯科疾患在宅療養管理料およびC001-5在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料・C001-6小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の在宅療養支援歯科診療所加算)を見直し

また、C000歯科訪問診療料においては、訪問歯科衛生指導の実施時におけるICTの活用に係る評価として通信画像情報活用加算が新設されています(30点)。

歯科固有の技術の評価の見直し

上記のほかにも以下のように、歯科固有の技術の実態に合わせた見直しが行われるとともに、歯科医療の推進に資する技術については医療技術評価分科会等における検討を踏まえつつ、口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応及び生活の質に配慮した歯科医療の推進の観点からの評価が行われました。

①M001歯冠形成のメタルコア加算の廃止
②歯周基本治療処置(I011-3)の廃止
③新規医療技術について、それぞれ技術料の新設等

・M015-2CAD/CAM冠の適応を臼歯以外に拡大
・M010-2チタン冠の新設(1,200 点)
・M021-3磁性アタッチメントの新設(1 磁石構造体を用いる場合 260点・2 キーパー付き根面板を用いる場合 350点)
④優先的に保険導入すべきとされた新規技術の保険導入及び既存技術の診療報酬上の評価
【診療報酬改定において対応する優先度が高い技術のうち、学会等から医療技術評価分科会に提案があったものの例】
(1)CAD/CAMインレー
(2)口腔細菌定量検査
(3)歯科部分パノラマ断層撮影
(4)広範囲顎骨支持型補綴装置埋入手術における画像等手術支援加算
(5)顎補綴等の症例に対する直接法における軟質材料の適用拡大
(6)先天性疾患等に起因した歯科矯正の適応症の拡大
(7)永久歯萌出不全に起因した咬合異常に対する歯科矯正の適用基準の拡大
(8)チタンによる前歯部レジン前装金属冠
(9)歯科麻酔管理料における長時間麻酔管理加算
⑤歯科用貴金属の基準材料価格について、素材価格の変動状況を踏まえた随時改定方法などの見直し(3月ごと)
⑥口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進及び臨床の実態等の観点からの、既存技術の評価の見直し
・M010-3接着冠の新設(1 前歯 370点・2 臼歯 310点)
・M010-4根面被覆の新設(1 根面板によるもの 190点・2 レジン充塡によるもの 106点)
・I010歯周疾患処置の名称変更(歯周疾患処置→歯周病処置)

本書の構成

本書は、改定の内容を全体的に把握できるよう、中央社会保険医療協議会等の資料及び令和4年3月4日付の官報や同日に厚生労働省ウェブサイトに掲載された情報に基づき作成しています。

第1部では、歯科に関連する個別改定項目を掲載しています。掲載にあたっては、歯科固有の項目については抜粋し冒頭にまとめました(その他の歯科に関連する項目については、その後ろに掲載)。

掲載内容については、個別改定項目の一覧(目次部分)において明示しており、歯科改定の全体像を把握できます。

▲第1部 目次
▲第1部 個別改定項目

第2部では、重要な歯科診療報酬点数表部分について、全文を新旧形式で掲載しています。

▲第2部 歯科診療報酬点数表

第3部・第4部では、基本診療料・特掲診療料の施設基準等も含め、関係告示・関係通知から必要な情報を、資料より網羅して収載しました。

▲第3部 横組みで読みやすい関係告示

第4部「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和4年3月4日保医発0304第1号)では、主要な改定内容を容易に把握できるよう、網かけ・ハイライトの処理を行っています。

▲第4部 網掛け・ハイライトで変更箇所が分かる留意事項通知

なお、医科の留意事項通知(別添1)のうち、歯科に関連する事項については抜粋し、当社Webサイト「追補・訂正表」にて公開しています。

改正の趣旨から詳細な内容までを把握し、新しい診療報酬点数表の中で、よりよい医業経営を推進していくための一助となれば幸いです。

販売情報

診療報酬点数表 改正点の解説(歯科) 令和4年4月版
規格:B5・536頁
発行:令和4年3月発刊
ISBN:ISBN978-4-7894-1065-6 C3047 ¥2300E
商品No.:100146 定価:2,530円(本体2,300円+税10%)
本書の購入はこちらから »診療報酬点数表 改正点の解説(歯科) 令和4年4月版』商品詳細ページ  

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