見出し画像

バイオ継続品や地域差がある医療等の適正化、介護連携の推進を目標に追加――第4期医療費適正化基本方針を告示(2023年7月20日)

「医療費適正化に関する施策についての基本的な方針」(医療費適正化基本方針)の見直しが、本日7月20日に告示された。

医療費適正化基本方針は、6年を1期とする都道府県医療費適正化計画を作成するに当たって即すべき事項と、その評価や医療費の調査・分析に関する基本的な事項等を定めたもの。

今回の見直しは、2024年から2029年度を計画期間とした第4期医療費適正化計画の策定に向けたものとなる。

見直しは社会保障審議会医療保険部会で議論され、医療費の更なる適正化に向けて、①新たな目標として、複合的なニーズを有する高齢者への医療・介護の効果的・効率的な提供等を加えるとともに、②既存の目標についてもデジタル等を活用した効果的な取組を推進する。また、計画の実効性を高めるため、③都道府県が関係者と連携するための体制を構築する旨が示されていた。

高齢者の疾病予防等や効率的な医療提供の推進が目標に追加

新たな基本方針における都道府県の目標では、「住民の健康の保持の推進」において特定健診・特定保健指導について目標70%・45%が考えられるとした。

また、保健事業と介護予防の一体的実施の推進など、高齢者の心身機能の低下等に起因した疾病予防・介護予防の推進が新たに加わっている。

「医療の効率的な提供の推進」では、バイオ後続品に関する数値目標(80%以上置き換わった成分数が全体の60%以上)のほか、医療資源の効率的・効果的な活用として、「効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘をされている医療」「医療資源の投入量に地域差がある医療」に関し、適正化に向けて必要な取組を進める旨が新たに記載された(医師の判断に基づき必要な場合があることに留意)。

さらに、医療・介護の連携を通じた効果的・効率的なサービス提供の推進(市町村の在宅医療・介護連携推進事業への後方支援、広域調整等の支援等)が加わっている。

また、医療費適正化の取り組みの役割としては、それぞれ次のような見直しが示された。

【国】
バイオ後続品について、成分ごとの普及促進策を具体化するとともに、実施に向けた対応を進める/「効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療」や「医療資源の投入量に地域差がある医療」について、エビデンス等を継続的に収集・分析し、都道府県が取り組むべき目標等の追加を検討する
【都道府県】
医療費適正化を図るための取組において、保険者、医療関係者その他の関係者の協力を得つつ、中心的な役割を果たすものとされたことを踏まえ、その旨等を追記
【保険者等】
保健事業の実施主体として、特定健診等について、2024年度からの第4期で特定保健指導にアウトカム評価を導入すること等を踏まえ、効果的・効率的な実施を図ること等を追記
【医療の担い手等】
保険者協議会への医療関係者の参画促進が重要である旨を追記
【国民】
OTC医薬品の適切な使用など、症状や状況に応じた適切な行動をとることが重要であることや、マイナポータル等を通じた自身の健康情報の把握が期待されることを追記

その他、パブリックコメントの際に示されていた第4期医療費適正化基本方針のポイントは、次のとおり。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

社会保険研究所ブックストアでは、診療報酬、介護保険、年金の実務に役立つ本を発売しています。