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医業経営コンサル協会が医療機関等の税制のあり方で提言 医療DX関連設備への優遇など盛り込む(10月17日)

日本医業経営コンサルタント協会は10月17日、「医療機関等における税制のあり方に関する提言」を発表した。2010年から毎年発表しており、今回で11回目。医療サービスの生産性に資する機器の税制優遇措置の創設を初めて盛り込んだ。

「医療機関等における税制のあり方に関する提言」を発表する川原丈貴会長(左)と青木惠一税制専門分科会委員長(右)=10月17日

提言は①医療法人・個人立医療機関の承継税制等の整備、②医師の勤務環境改善支援のための税制措置創設、③医療及び介護に係る控除対象外消費税問題の抜本的解決、④医療サービスの生産性向上に資する機器の税制優遇措置の創設――の4項目。

提言1 医療法人・個人立医療機関の承継税制等の整備

「持分なし医療法人」への移行を促進するための認定医療法人制度について、適用期限を3年間延長する。また、認定から3年以内の移行期限を、認定から5年以内に緩和する。さらには、相続開始後に認定を受けた場合の相続税の納税猶予制度の適用において、納付する相続税額が生前に認定を受けて持分なし医療法人へ移行した場合と同額となるよう計算方法を見直す。

一方、「当分の間」存続するとされている「持分あり医療法人」について、経過措置を改め、適切な承継税制の創設や持分の評価方法に関する改正を行うこと。個人版事業承継税制については、個人立医療機関の医療法人成りの際の取扱いなどの改善措置を講ずる。

提言2 医師の勤務環境改善支援のための税制措置創設

都道府県に設置された医療勤務環境改善支援センター(勤改センター)の助言を受けて「医師等勤務時間短縮計画」を作成した医療法人等において、医師の勤務時間を短縮するため、給与費等の金額が増加した場合には、増加した給与費等の金額の15%を税額控除する制度の創設を要望する。

提言3 医療及び介護に係る控除対象外消費税問題の抜本的解決

社会保険医療の給付等及び介護保険サービスの提供に係る控除対象外消費税問題について、抜本的な解決が図られることを要望する。そのためには、これら給付等及びサービスの提供に係る消費税を非課税から課税に改めること。なお、抜本的な解決策は消費税率10%の間に措置すること。

提言4 医療サービスの生産性向上に資する機器の税制優遇措置の創設について

医療法人等が行う医療DXに関連した設備投資で医師や看護師など医療従事者が提供する医療サービスの生産性向上に資する機器について、固定資産税(償却資産税)を非課税とする。

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