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1か月の医療費が1,000万円以上のレセプトが1,792件で過去最多(2023年9月7日)

健保連は7日、令和4年度高額医療交付金事業における高額レセプトの概要を発表した。健保連は、高額な医療費の発生が個々の組合財政に及ぼす影響を全組合拠出の財源により緩和するため、『高額医療交付金交付事業』を実施。令和4年度(令和4年1月16日から令和5年1月15日)の本事業に申請されたレセプトのうち、1か月の医療費が1000万円以上のレセプト件数は、前年度より275件増加し、1,792件で過去最多を更新した。

健保連は、近年保険収載された高額医薬品の影響で高額レセプトが増加していると指摘。月額医療費の上位100件のうち88件が、ゾルゲンスマやキムリアなどの高額医薬品の使用に関わるものだった。

100件のうち、脊髄性筋萎縮症の治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」によるものが9件、白血病等のがん治療薬「キムリア点滴静注」が63件、同治療薬「ブレヤンジ静注」が15件、同治療薬「イエスカルタ点滴静注」が1件。
これらの医薬品は有効性等が高く評価され、薬価が極めて高額となっているため、かつて高額レセプトの最上位を占めていた血友病等の血液疾患については、近年、他の疾患に置き換わる傾向にある。

同日の会見で松本真人理事は、「制度として、いまの高額療養費制度だけで今後も対応しきれるのだろうか。ゾルゲンスマなど金額が非常に高くなっているし、期間が長い薬も今後出てくるだろう。単価・患者数・使用期間の3つの指標を見ながら対応していく必要がある」と述べた。

過去10年の1,000万円以上高額レセプトの件数の年次推移
(出典)健康保険組合連合会「令和4年度 高額医療交付金交付事業における高額レセプト上位の概要」

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