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日精協が定時社員総会 山崎会長が8期目就任(2023年6月9日)

日本精神科病院協会は6月9日、定時社員総会を開催した。令和4年度事業報告書や決算書が承認されたほか、役員改選に伴い、山崎學会長をはじめとする理事27名、監事2名が役員に選出された。同日の臨時理事会では、山崎会長の8期目の就任が決定した。山崎会長は4日に新型コロナウイルスに感染したため、自院からオンラインでの出席となった。

山崎会長は冒頭に挨拶し、政府が子ども子育て支援の財源確保をめざし、2兆円を医療・介護から捻出するため、社会保障の制度見直しや歳出見直しを行う方針が示したことについて見解を表明。

特別会計積立金や、国債の償還期間を現在の60年から延長することで財源を捻出できる「60年償還ルール延長論」を例示し、「財務省の懐にはこのように何十兆円という財源がありながら、医療・介護から取ろうとするのはあり得ない」と強く非難するとともに、協会として対応していく考えを示した。

医療DXでは、日精協会員病院の電子カルテの導入率が4割程度であることをあげ、「精神科の中小病院の電子カルテは国が無料で配るよう要望している」と述べた。医療観察法の改正や入院食事療養費の値上げなどについても「厚労省に働きかけ、きちんと対応させたい」と強調した。

来賓挨拶では厚生労働省社会・援護局の辺見聡障害保健福祉部長と日本医師会の松本吉郎会長が登壇し、祝辞を述べた。

滝山病院事件に言及

挨拶のなかで塚本一議長は、東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」の看護師が患者への暴行容疑で逮捕された事件について言及。同院では逮捕された4名を含めた職員の約9割が非常勤職員であり、ガバナンスのきかない運営状態であったと説明した。

その上で、「今回の虐待事件の背景には、精神科病院に対する世間の偏見と、透析や身体疾患が合併し、手のかかる長期入院患者の受け皿がないなか、低い診療報酬でそれらの患者を押しつける国のあり方にも問題がある。パート職に頼らなければ経営が成り立たない構造は変えていかなければならない」と述べた。

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