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LIFEのさらなる活用に向けて導入の課題等を調査(9月27日)

社会保障審議会介護給付費分科会は9月27日、令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査の調査票等について議論を行った。調査票案はおおむね了承された。

令和3年度調査は、◇介護医療院のサービス提供実態等の調査◇LIFE を活用した取組状況の把握と訪問系サービス・居宅介護支援事業所のLIFE の活用可能性の検証◇文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の調査◇福祉用具貸与価格の適正化の調査―の4つが実施される。

介護医療院調査は、介護療養型医療施設の廃止期限が2024年3月と迫るなか、サービス提供の実態や介護療養型医療施設等からの移行状況を把握した上で、今後の対応の検討に必要なデータを得る。今回は初めて、介護医療院等に対して、退所者の調査が行われる。ADLや退所先、胃ろうや酸素療法等の処置の実施状況等について聞く。

LIFE調査は、LIFE活用の取り組み状況の把握やLIFEのさらなる活用に向けた課題の検討、訪問系サービスや居宅介護支援事業所でのLIFEの活用について、活用事例の検討などを行う。訪問系サービスなどについては、モデル調査として、LIFE のフィードバック票を提供し、技術的助言等を行った上で、ケアの質の向上に向けた取り組みを事業者が実施。実施後にアンケート調査とヒアリング調査を行う。

調査票案はおおむね了承され、10月中に調査を実施する予定。

LIFE対応に多くの施設で時間外労働

複数の委員から、LIFEへのデータ提出の現場の負担について指摘や要望があった。

全国老人保健施設協会の東憲太郎委員は、7月上旬に全老健会員に対して行ったLIFE導入状況調査の結果について言及した。「介護ソフトがLIFEに対応していても、大部分あるいは一部分で手に入力が必要になっていると半数以上が回答。LIFE対応加算のデータ提出状況は、業務時間内で対応できているのは14.5%。ほとんどの施設で時間外労働を強いられている。データ提出の猶予期限が8月10日で終了したが、それについては67.1%が経過措置の延長を望むと回答している。現場のLIFE対応の環境が整っていないにも関わらず、拙速に多くの加算にLIFEを紐づけてしまったことが原因と考えている」と指摘。「今後の丁寧な対応を望む」と要望した。

産業医科大学の松田晋哉委員は、LIFEへの要望に対し、「LIFEは走り始めた制度であり、走り始めて順次変えていくことが現実的。5年くらいかけてやっていく仕組みだと思う」と述べた。

介護報酬のコロナ特例は補助金への切り替えで調整中

介護給付費分科会で、厚生労働省の平子哲夫老人保健課長は、9月30日に期限を迎えるコロナ特例について言及した。

新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価として、介護報酬の基本サービスへの0.1%上乗せを行っているが、「10月1日から、介護事業所における感染症対策について、それにかかる経費を支援するという観点から、介護報酬での評価から、補助金等による支援に切り替える方向で財政当局と調整中である」と述べた。

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