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遺族年金のしくみと手続~詳細版|#17離婚後も同居していた元妻は遺族厚生年金を受給できるか?
石渡 登志喜(いしわた・としき)/社会保険労務士・年金アドバイザー
今回は、法律上は離婚したもののそのまま元夫婦の同居が継続し、元夫が死亡して元妻が遺族厚生年金を請求するケースをご紹介します。こうしたケースは遺族年金の請求においてよく見られます。元夫の死亡時、元妻が内縁関係にあったかどうかの判断基準を具体的に確認していきます。
【事例概要】
死亡者:Aさん(昭和41年4月15日生まれ)
・平成30年10月10日にB子さんと協議離婚
・離婚後もB子さんとY市で同居
・令和2年9月10日にW市に転居
・令和4年7月26日に死亡(厚生年金保険被保険者)
請求者:B子さん(昭和44年7月2日生まれ)
・平成30年10月10日にAさんと協議離婚
・離婚後もAさんとY市で同居
・令和4年6月30日にX市の友人宅に転居
・令和4年9月12日に遺族厚生年金の請求に来所
内縁関係にある場合の遺族年金
厚生年金保険の被保険者であったAさんが令和4年7月26日に死亡したとのことで、その元妻でAさんとは内縁関係にあったらしいB子さんが遺族厚生年金の請求に来所しました。
厚生年金保険の被保険者であって、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上ある者が死亡したときは、当該死亡した者(以下「適格死亡者」という。)の配偶者であって、適格死亡者の死亡の当時、適格死亡者によって生計を維持したものに遺族厚生年金が支給されます。
配偶者には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含むとされます。また、適格死亡者によって生計を維持した者とは、適格死亡者と生計を同じくしていた者であって、年額850万円以上の収入または年額655万5000円以上の所得(以下、上記の収入額又は所得額を「基準額」という。)を将来にわたって有すると認められる者以外のものとされています。
【根拠条文等】
・厚年法第3条第2項、第42条第2号、第58条第1項第4号及び第59条
・厚年法施行令第3条の10
・「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」(平成23年3月23日年発0323第1号厚生労働省年金局長通知(以下「23年通知」という。)
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