事例でみる障害年金請求の勘所|#11 第三者の行為が原因による障害年金請求
障害の原因となった傷病が、第三者の行為による場合もあります。この場合でも、納付等所定の要件を満たしていれば、障害年金の請求は可能です。
しかし、国民年金法第22条2項および厚生年金法第40条2項には、「受給権者が、(障害の原因となった傷病を生じさせた)当該第三者から、同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府(等)は、その価額の限度で、保険給付をしないことができる」とありますので、請求してもしばらく支給停止されることもあります。
このことから、障害の原因の傷病が第三者によるものの場合は、障害状態や初診日を証明する書類のほかに、第三者から損害賠償を受けているかの状況報告も必要になります。
今回は、第三者行為による障害年金の請求手続きと事務手続きを検証していきます。
1.障害状態審査に必要な書類の整備
第三者行為による障害であっても、障害状態を審査する上で必要な書類は、通常の障害年金請求と同じですので、まずは、それらの書類の整備を進めます。
相談者によると、高次脳機能障害の症状は、一命を取り留め意識を回復した直後から今まで、変化することなく重たい症状であった、との申し出から、障害認定日による障害厚生年金の請求を進めます。
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