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介護保険の軽度者の給付の見直しに慎重な意見(10月28日)

社会保障審議会介護保険部会は10月28日、介護保険制度の持続可能性の確保や高齢者の住まいなどについて議論を深めた。

厚労省は、制度の持続可能性の確保の論点の一つとして、軽度者への生活援助やその他の給付の見直しについて、地域支援事業への移行も含めて検討を求めたが、慎重な意見が相次いだ。

平成26年改正で要支援1・2の訪問介護や通所介護が地域支援事業の総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)に移行されたが、協会けんぽの安藤伸樹委員は、「意図した住民ボランティアやNPO等を活用した効果的・効率的な事業の実施が十分にできているとはいえない。地域ごとのバラつきも大きい」と指摘。
「将来的には要介護1・2の訪問介護・通所介護の移行の検討も必要だが、このような状況では無理に移行しても市町村における効果的・効率的な取り組みを期待するのは難しい」と述べ、現行の総合事業の取り組みを促進する方策を関係者で検討するように訴えた。

全国市長会の大西秀人委員は、総合事業のサービス実施でも「担い手の確保が課題」と指摘。担い手不足の解消の見込みがない現状から、新たに軽度者の生活援助やその他のサービスを地域支援事業に移行することに異論を唱えた。

その他、「住民型サービスの展開が不十分」「効果の検証と多様なサービスの提供体制の構築をすべき」など複数の委員が慎重な対応を求めた。

他方、高齢者の住まいに関しては、住宅型有料老人ホームの扱いで「一元的な情報公表システム」の導入を求める意見が出された。厚労省も検討を進める方向だ。  

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