見出し画像

介護分野でのテクノロジーの活用を促進(6月25日)

政府の全世代型社会保障検討会議は6月25日、第2次中間報告をまとめた。介護分野については、昨年12月の中間報告のとりまとめ以降の検討状況を踏まえ対応を盛り込んだ。人手不足や介護サービス需要の伸びに対応しテクノロジーを活用する方向を提示した。AIを活用したケアプラン作成の促進を記載。また介護サービス事業所等の指定申請や介護報酬の請求の届出の電子化について、「2021年度中の実現を目指す」と明示した。

他方、医療については本年末の最終報告において取りまとめるとした。

介護報酬の請求の電子化は「2021年度中の実現を目指す」

介護分野では、具体的に①介護サービスにおけるテクノロジーの活用②文書の簡素化・標準化・ICT等活用③介護サービスの効果を正確に測定するためのビッグデータの整備④介護事業者の創意工夫を引き出す弾力的な取組の推進─について示した。

このうち①介護サービスにおけるテクノロジーの活用では、生産性の向上のためケアプランの作成におけるAIの活用を促進するとともに、現場のニーズに合った機器の開発・実証を支援するとした。さらにテクノロジーの導入の効果をデータとして把握・分析し、エビデンスに基づき、不断に介護報酬や人員配置基準について見直しを図るとしている。

厚労省はAIを活用したケアプラン作成支援の実用化に向けて2016年度から調査研究を実施している。他方、同年度から10年計画で「適切なケアマネジメント手法の策定」について調査研究などに取り組んでおり、その成果も踏まえて、研究を進める考えだ。

②文書の簡素化・標準化・ICT等の活用では、行政への文書提出をワンストップで効率的に行うことができるよう、事業所の指定に関する申請や事業所の介護報酬の請求に関する届出等の標準化と電子化について、「2020年度中に検討し、2021年度中の実現を目指す」と明示した。今年度、介護サービス情報公表システムを活用したICT化の促進について調査研究を実施し、その成果を活用していく予定だ。

③介護サービスの効果を正確に測定するためのビッグデータの整備では、今年度から動き始めたCHASE(高齢者の状態や、リハビリ以外のケア内容等の情報を収集するデータベース)を本格的に稼働させるとともに、介護レセプトや要介護認定情報に関するデータベースと医療レセプトや特定健診情報に関するデータベースとの連結を10月から実施することを紹介。また「エビデンスに基づき、標準的な介護サービス水準の在り方に関する検討を進める」とした。

厚労省はCHASEで収集した情報は2021年度の介護報酬改定の検討で活用する。他方、情報提供を行った介護サービス事業所等に情報の解析結果等をフィードバックすることや、介護報酬の加算などインセンティブについても検討する予定だ。

④介護事業者の創意工夫を引き出す弾力的な取組の推進では、利用者の自立度が改善した場合の加算について、エビデンスに基づき、来年度の介護報酬改定で必要な見直しを行うとした。また、介護サービスと保険外サービスの併用について、本年中にルールの明確化を図るとした。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

社会保険研究所ブックストアでは、診療報酬、介護保険、年金の実務に役立つ本を発売しています。