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日医が地域包括ケア推進委員会の答申書を発表(4月1日)

日本医師会は1日の会見で、会内の「地域包括ケア推進委員会(委員長=中尾正俊大阪府医師会副会長)」のまとめた横倉義武会長への答申書「尊厳の保障と自立支援に資する地域包括ケアシステムの深化・推進へ向けて」を発表した。介護政策への発信や介護人材確保の革新、地域包括ケアシステムにおける見直しなどを提言している。

介護政策への発信では、地域医療構想から「地域医療介護構想」への取り組みを提案。地域医療構想については「医療だけでは完結せず、地域包括ケアシステムが構築されないと地域医療構想は絵に描いた餅となる仕組みとなっている。介護の行政担当者や介護事業者等関係者も地域医療構想調整会議に参加し『地域医療介護構想』として取り組み、介護保険事業計画に活かす必要がある」と明記した。

リハビリテーションでは、「介護保険事業計画においても地域のリハビリテーションの提供体制や提供量について十分に検討すべき」と指摘。地域リハビリテーションの体制については、「市町村における一般介護予防の地域リハビリテーション活動支援事業と連携することになっているが、一般的にあまり活性化されていない。市町村が対応に苦慮している現実もあり、医師会によるマネジメントが期待される」とした。

介護人材確保については「介護ロボット・センサー・ICTはテクノロジーの進歩に応じて当然普及していくもので、外国人材確保や介護助手も講じるべきだが、力を入れるべきは日本人の介護人材の確保である」と指摘。その上で、「法人や事業所の理念・方針、働きやすい職場環境、職場の人間関係、利用者との関係性など様々な要因が複雑に絡み合うなかで対応を検討し、介護職員の自己実現や介護現場の職員のみならず、これから介護を志す方々の心に響く方策が不可欠」と記した。

地域包括ケアシステムにおける取り組みの見直しでは、主治医意見書の重要性をあげた。主治医意見書の活用については、「尊厳の保障や自立支援の観点から、地域包括ケアシステムの深化に欠かせない」と指摘。一方、「内容が困難で医師以外には理解しづらい」「主治医が交代した場合などプライバシーの問題で前主治医の意見書を入手することが難しい」などの課題解決を求めている。

会見で江澤和彦常任理事は、「地域包括ケアシステムの概念などの総論と各論に分かれており、かかりつけ医をはじめ、多くの医療現場の方にバイブル的に使用してほしい。ベーシックな内容から今後の方向性・提言も含めた答申書になっている」と述べた。

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