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有識者検討会が医薬品流通についてヒアリング 「調整幅引下げは安定供給にとってリスク」(9月29日)

厚労省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた 総合対策に関する有識者検討会」は9月29日、日本医薬品卸売業連合会などからヒアリングを実施した。

日本医薬品卸売業連合会会長の鈴木賢氏は、現行の薬価制度の課題として、「薬価が下落する仕組みの中で、累次の薬価引下げが流通当事者の経営基盤を脆弱にする構造的な歪みを抱えている」と指摘。

医療機関や保険薬局などの取引先の属性によるバイイング・パワーの差によって、薬価差が偏在しているとし、過度な薬価差偏在を解消する仕組みが必要と提案した。

調整幅については、「引下げは医薬品の継続的な安定供給にとって重大なリスクとなる」と懸念を示した。 現在、調整幅が果たしている意義としては、▽異なる取引条件による納入価のばらつきの是正▽薬価改定による薬価下落のスピード緩和▽自然災害等の不測の事態への備え――などがあると説明した。その上で、「調整幅は引き下げるべきではない」と訴えた。

イノベーションや原価上昇に対応できるしくみを

再生医療イノベーションフォーラム(FIRM) 代表理事会長の畠賢一郎氏は「再生医療等製品の価値や特徴、多様なイノベーションを評価できる新算定方式を導入するべき」と提案した。

クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社代表取締役社長の木村仁氏は、医薬品の安定供給に向けて、最低薬価の引上げや流通コストの明確化、急激な原価上昇への特例的な薬価引上げなどを提案した。

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