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休業要請を受ける通所介護事業者等を支援(4月7日)

政府は7日、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策とそれを裏付けする2020年度補正予算案を閣議決定した。補正予算案は18.6兆円であり、そのうち厚労省予算案は1兆6371億円(労働保険特別会計含む)。

介護保険関係では、新たに(1)新型コロナウイルス感染症の拡大防止から休業要請を受けた通所介護サービス事業者等のサービス継続支援(2)第1号被保険者に対する介護保険料の減免を行った市町村に対する財政支援(3)介護支援専門員研修等オンライン化等事業(4)通いの場の活動の自粛を受けての介護予防のための広報・ICT化支援─などが盛り込まれた。

このうち(1)拡大防止から休業要請を受けた通所介護サービス事業者等のサービス継続支援では、休業要請を受けた通所介護事業者等や、その連携先(利用者を受け入れた事業所等)のかかりまし経費を支援する。支援の対象は、通所介護や地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリなど。

通所介護事業者等が休業要請を受けて縮小してサービスを提供する場合、▽居宅を訪問して安否確認を行う際の移動のための車・自転車等の購入又はリース▽ICTを活用する場合のICT機器(職員用スマホ、利用者宅タブレット等)の購入又はリース▽デイの送迎や居宅訪問の際のマスクなどの衛生用品の購入─などが対象になる。

また訪問によるサービス提供に切り替える場合、同様の経費に加えて、訪問サービスを提供する職員を確保するための諸経費や訪問によるサービス提供に係る損害賠償責任保険への加入も対象になる。

他方、連携先の事業所に対しては、新たな利用者を受け入れるための調整に係る諸経費や受け入れに伴う職員確保のための諸経費などを支援する。

国の予算は68.3億円で、都道府県・政令市・中核市に対して事業費の3分の2を補助する。

また同様の支援を障害者・児通所サービス事業者を対象に行うとともに、障害者等の相談受付を行う。国の予算は双方合わせて42.2億円。都道府県等に事業費の3分の2を補助する。

第1号保険料の減免を行う市町村を支援

(2)第1号被保険者に対する介護保険料の減免を行った市町村に対する財政支援については、特別調整交付金が交付される。予算額は96億円。予算算定上の対象人数では23万8千人を想定している。減免に関する詳細について9日付で事務連絡が発出された。

減免の対象は、①新型コロナウイルス感染症により主たる生計維持者が死亡、又は生計維持者が重篤になってしまった人、②前年の事業収入等(事業収入・不動産収入・山林収入・給与収入)からいずれかの収入で3割の減収が見込まれる、事業収入等以外の所得が400万円以下の人。

このうち①の場合は、保険料の全額が免除される。②の場合は、前年の合計所得金額200万円以下の人で全額が免除される。それ以上の人は対象保険料額の10分の8が免除される。対象保険料額は、該当の高齢者の保険料額に、減少が見込まれる前年の事業収入等に係る所得額をかけ、前年の合計所得金額で割ることで算出される。事業等の廃止や失業した場合は前年の合計所得金額にかかわらず全額を免除する。単身世帯で重篤になり、年金のみの収入しかない高齢者は全額が免除される。

(3)介護支援専門員研修等オンライン化等事業は、介護支援専門員の実務研修・更新研修・主任更新研修と、ユニットケアのユニットケアリーダー研修・施設管理者研修について、DVDやWebなどの通信教材を作成し、在宅等での研修の受講を促進する。予算は4.6億円で国から民間業者に委託する。

(4)通いの場の活動の自粛を受けての介護予防のための広報・ICT化支援では、通いの場に通える機会が減った高齢者に対して、健康維持に必要な情報(運動・社会交流等)について広報を行う。また散歩を支援するなどの運動管理ツールで通いの場の機能を補強する。民間が開発したアプリを拡充していく方向だ。予算は4.0億円。

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