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都医の尾﨑会長「感染者急増避けられれば第4波乗り切れる」(5月11日)

  東京都医師会の尾﨑治夫会長は5月11日の会見で、新型コロナウイルス感染症の現状について見解を示した。

GW中の繁華街の滞留人口は1月の緊急事態宣言時に比べ3割減、宣言前に比べ4割減であるとともに、7割近くの都民が自宅周辺で過ごしていることを指摘し、「都民の努力で昼も夜も人は減っており、お礼を申し上げたい」と述べ、都民の協力に感謝を示した。

病床拡充などの体制強化策として、回復期支援病院で200施設・約1000床、老人保健施設で110施設、宿泊療養の充実で13施設・約3000人を確保するとともに、かかりつけ医や在宅診療などによる地域での24時間医療支援システムを展開していることを紹介し、「緊急事態宣言延長で、引き続き感染者の急増を避けられれば第3波以降の体制強化策で第4波を乗り切れる可能性がある。明るい光も見えてきている」と述べた。

高齢者のワクチン接種については「東京都医師会の総力をあげて取り組む」と強調。高齢者のワクチン接種の効果について、「高齢者の感染が減り、重症者が減れば医療提供体制のひっ迫を防ぐことができる。また、高齢者が引きこもることが減れば、フレイルや認知症の進行を防ぐことができる」と指摘した。

政府が高齢者のワクチン接種の7月完了を目標にしていることには「我々自身もそれを受け止め、持病のある高齢者を一番理解している地域のかかりつけ医が中心となって、7月完了を目標に、地区医師会の協力のもと接種体制をさらに充実させていく」と述べた。 その上で、「高齢者へのワクチン接種が終わることで世の中が変わり、新しい世界が開けると思うので、がんばっていきたい」と訴えた。

一方、変異株の流行については、「N501に限らず、変異株の増加をこれ以上許すと、新しい世界が遠ざかる可能性がある」と述べ、国に対して台湾並みの水際対策の強化と国内の変異株検査体制の拡充といった早急な対策を求めた。

東京オリンピックの開催については、「海外から来る選手は自己管理をし、ワクチンも打つために感染につながる危険は少ないと思う。問題はメディアやスポンサーなどの他の外国から来る関係者だ。仮に無観客であってもしっかり感染予防をしないと、安全に開催できない」と述べた。安全な開催の条件としては、ステージⅡあるいは東京都の1日新規感染者数が100人以下であることを示した。

会見する東京都医師会・尾﨑治夫会長

 

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